第67章 躍進
過去の凄惨さをまざまざと見て、ケイトを抱き寄せ、その背と頭を撫でた。
フィン「本当…よく生きていてくれた」なで&だき
ケイト「???」
ノアール「……(頭を振る)
もう…ダメよ…
もう、自分にされるひどいことでは、何も感じなくなってしまったから」
ケイト「?」眉潜め
訝しげな眼でノアールをじっと見つめるケイトに、僕は頬をすり寄せた。
フィアナ「恐らく…最近見た悪夢が止めになったのだと思います。
父に7歳の夏休みで肛門で犯されたことを思い出し、打ち明け、あとは様々なことがあって…振り切ってしまったのではないかと」
アスフィ「ですが…やはり、何度聞いても信じたくはありません。
あんなものが現実にあるなど…」ギリッ
フィアナ「事実は小説よりも奇なりですよ、アスフィ」
ケイト「うん…いくら助けを求めても無視されたね。
皆笑ってたし…いいよね、知らない人は…
そうやって口で否定さえすれば、実際に歩んできた時間も、傷も、道のりも、いくらでも無いものとできるんだからさ(真剣&闇)
だから…そういう人達には何も感じないし、動こうとも思わないよ。
助けるばかりか、傷付ける以外何もしてこない人達だからね^^
私は…そんなにお人好しではないよ?
手の届く範囲で危ない目に遭ったなら助けるだろうけど」
フィアナ「ただでさえ父の隠蔽が非常に巧妙で、警察に言えばDVは苛烈を増す一方。
常にマウントを取られ、主導権を握られ、振り回され続ける一方。振り回せた試し等一度としてない。
事実であっても『「無理がある」という「他人の固定観念」』を押し付けられ、根本から否定されて助けられないまま」
ノアール「平然とできちゃうのが人なのよね…;」
アスフィ「なるほど…
だから、人が痛んでいるのにそれを笑われるのがどれほど残酷なのか、怨み以外何も抱かないかを痛切に知っていると」
フィン「自分さえ楽しければ、幸せであればいい。そう考える人間は山ほどいるからね」
ケイト「一応言っておくと、それによって殺された人達がここに集っているから。
自分本位な人の都合や力や主導権に振り回された末に、ゴミのように扱われた末路だから。
散々そういう扱い受けてきたから、また受けたとしても「またか」ぐらいにしか感じないけど。そっちのが期間長いし」
テロップ『冷たい目だ!;』怯え