第67章 躍進
『!!!』
ケイト「これは…自分の為、独り善がりなもの、だと思う。
でも…お陰で、有難みに気付けた。
目に見えない、守ってくれている存在を、より強く感じられた。大事にしたいと思った。
自分という存在を示す為と言ってもいい。
私個人にしか得はない、でも伝えたい。できることなら、知って欲しい」真剣
フィン「いや…済まない。否定のつもりじゃないんだ。
ただ、君のその環境自体が世間では一般ではないと知って欲しかった。それだけのつもりで」
ケイト「…そっか…」
ノアール「私はそもそも人の育つ環境自体が理解できないのだけれど?」
ケイト「それは…まあ……私もか。
異文化みたいなものだと考えた方がいいかも?
う~ん…24年間、父や母の思い通りに動かされて、嫌がったら力で捻じ伏せられて強制、気に食わないことがあったら私がやったことじゃないのに私のせいにされて、殴られて喚かれて殺されかけることもあって常に命の危機で、意見も何もできないで、常に軟禁状態にされて、ストレス発散の捌け口にされて、「俺が必要になったら動け、力を貸せ」「お前には貸さん。所有物として使ってやっているだけ、生かしてやっているだけ有難いと思え」とか、反抗も主張も感情の発露も一つとして許されなかった…
だから余計…力で捻じ伏せられて、一方だけが全て通らないそれが重なる…残酷だとわかっている分、助けたいと思ってしまう。
あ、あっちの記憶と固着してる;
こっちじゃ10年なのに;」
『どっちにしろ長い;』
ノアール「ともかく…それが普通でないことはわかっているのよね?」
ケイト「ああ。でも私にとっては普通だ、物心つく前から日常だし。
皆が違うだけ」
フィン「うん…だから余計憤慨するのもよくわかる;
ともかく…一方だけを無理に押し通すことがどれほど残酷なのかを訴えかけるように記そう」
ケイト「うん」頷
アスフィ「ゆっくり…傷を癒やしていきましょう?」
ケイト「いや、もう既に癒されてるよ。
お前達の温かさが、愛情が、ちゃんと伝わってるから。
平気でできる存在が理解できない存在であることには違いないけれど」
フィアナ「大本となる感覚が違いますから;」
フィン「こればっかりはどうにも…;」
ノアール「違うだけ。それでいい」
ケイト「うん…学ばせ、どう在りたいか問おう」