第66章 穢れ
ノアール「彼は…『生活や平和に欠かせない存在』がないという痛みを知らな過ぎたのよ。
奪われる痛みも…
常に、サンドバッグにされる日常よりは…孤独の方が余程恵まれていることさえも…」
フィン「そこが、ケイトとの分かれ目だろうね。
それ以上の辛さを、強要され続ける日々を知らなかった。
だから…ああいうことができてしまった。
たとえどうあったとしても、力を貸してもらえるのが前提条件であり、叶わなかったことなど一度としてなかったのが現実だったから…」
ケイト「なるほど…
でも…命は等しく同価値だ…
必要とする人がいる。
たとえいなくとも、目の前で死んで欲しくないと思う人は必ずいる。
己の好きにしていい命なんて、この世には何一つとしてないよ…」
アスフィ「そこもまた大事ですね。後でまとめておきましょう」
ケイト「彼を変に意識しないでよ?;」
フィアナ「散々彼への裁きに不服を申していた人が言いますか;」
ケイト「ごめんなさい;」お辞儀
アスフィ「しかし…それもまた優しさです。
疑問に思ったことは放ってはおけず、助けられるのならば助けようと奔走する。
たとえそれで損しか得られずとも…本人さえ幸せであればと願う…
謙虚過ぎる姿勢もどうかとは思いますが、努々忘れないように。
そんなあなただからこそ、救われたのだと」真剣
ケイト「ああ…もう、忘れない。
私の力も、意思も、考えも…皆がいたからこそ、固めることができた。
自分の為にも、皆の為にも、生きる。
もう死にたいとは願わない。人として生き、死ぬまで…」
その答えに僕等は微笑み、涙を滲ませながら頷いた。
フィアナ「神に至った時点で不老不死ですがね^^」くす
ケイト「水差さないでよ!;」汗&困惑
ノアール「まあともかく、ちゃんと踏ん切りをつけれているのなら由ということで」
フィン「違いない^^」ふふっ
アスフィ「それはそうと遠征は大丈夫なんですか?」
フィン「ああ。無事最深部まで辿り着いたし、あとは帰還だけだからね。
精霊寵愛を受けれるのが精霊王の半身だけだというのは精霊王から教わったが」←2902ページ参照
ケイト「私知らないよ!!?・・;」←1018,1025,1041ページ参照
ノアール「肝心な所を秘密にする所まで似ているわね;」
フィン「ただの伝え忘れだと思うが…;」