第66章 穢れ

ケイト「それが最大の罪…か。

傷や経緯を知った後、それを踏みにじる行為をしていると自覚した上で罪深さを無視するばかりか、罪悪感を一切抱かず力を貸さないという姿勢を貫くこと。
何より…自らの都合、平和を維持する為だけに、力で捻じ伏せ続けた。初対面が敵でさえあれば、傷や経緯を知ってもその本人のことを考えて動くことを決してしなかった。
自分の理想の実現の為に、相反するそれを貫こうとするそれらに歩み寄らず、自分の都合にのみ巻き込んだ。

巻き込む相手の心、痛みを考えなかったこと。
それこそがなんだよね？」

フィアナ「ええ。そうです」頷

アスフィ「寧ろ、罪に問われないこと自体が異常。
そればかりか、それに力を貸さなければいけないよう物事を持って行ったとして、貸そうという行動をしたいとは思いません。
いっそ殺したいです、即座に、どさくさに紛れて」

フィン「悪逆非道。極めて不快だ」

ノアール「痛み故の言動なら余計よね。
誰でもそういう暴走はするものだし…

それに目を向けないばかりか…いくら貸してもらっても力になろうとは決してしない」

ケイト「うん。それに関してはよく知っている。
でもどっちが悪いかとか云々以前に、人としての感覚や思考回路についてなんだよね？

そこに着眼できなかった、その平和でさえも『いつ壊れてもおかしくないこと』『身近にいるいないに関わらず数々の人達が目に見えない礎・支えとなっていること』に目を向けなかった、更には罪悪感を感じていないことが言動の端々に出ていること。
それらが反映され、なおかつ彼のみにとって都合よく回り続けるよう一柱の神が画策した。

たとえその神が画策してそうし続けた所で、本人が気付こうと努力さえしていれば防げた。
だから世界殺しの大罪がそのまま彼の魂に乗っかり、減刑の余地もなく消されたってことだね。

なるほど。よくわかった。教えてくれてありがとう（お辞儀）


私の考え、眼、見方は甘かった。ぶちのめしてくれて助かるよ（微笑）

私は…甘かった。
間違えないよう努力する！」真剣←拳を握り締め遠くを見つめる


『…………』瞠目

アスフィ「もう…庇うのはやめたんですか？；」

ケイト「庇いようがないことがよくわかった。
あれはもう消すしかない。

いくら言ってもあれだったことは、実体験上よく身をもって知っているから。