第66章 穢れ

いじめっ子「ならお前が加害者だ！
俺が被害を負っている側だろうが」

ケイト「…責任転嫁も甚だしいな…
これまで好きにやってきたツケが返ってきたとは思わないのか？」
いじめっ子「ならお前が返ってくるべきだろ！！」

ケイト「だから…なんだよ。
自分がいい思いをすること以外考えてない、それに巻き込まれる人達が…どれだけ苦労して、縛られて、振り回されて、搾取されて、殺されるか……お前は…何も考えていない。

大事なものを、全部…見えないまま…蔑ろにしたまま、仮初めの理想という幸せを享楽し続けている。


どれほどの怨みを、反感を、復讐心を、形作らせるほど与えているとは気付かないまま…



私は、集めた国民達は皆…踏みつけられる側の痛みは、搾取されて邪魔以外されない側の苦しみは、死ぬほど知ってるんだ。

散々味合わされてきたんだ！
さっきも言ったような生き地獄を無制限に見せたいぐらいには！！


でも……そんなことをしたって晴れない！

今では……大事な経験だと思っている。
私が…私でいる為にも欠かせない！

私という名の正義が、どれほどの人にとって合わないかは……知っている。


だが、それでも貫く！そいつらを守る為にも！私を守る為にも！

それが平気で出来る奴は、痛みも感じない奴は、国民にも旅人にも要らない！
これは国民全員の総意で、私『達』の意志だ！


客だろうが何だろうが知ったことか！
凶器にもなるそれらを売る相手ぐらい選ばせろ！！信頼できる人にしか売らん！

責任の一端を担っているのだから、当たり前のことだ！私にとっては。


だから戦う！
国が国である為に、守る為に！


その正義が悪だというのなら、お前に合わなかっただけのこと！
譲歩できない部分を、軸を、譲歩する訳にはいかん！

無理にさせるのは殺しだ！お前にも譲れん軸があるだろう！？
力尽くでもしたいというのならばするがいい！力で無理を押し通そうというのなら、力で迎え撃つまでだ！！

たとえ悪だと言われようが、敵だと世界中から攻め込まれようが、私達は戦う！！！


辟易してるんだよ。

力や圧や権力にものを言わせて、合わない人に合わさせて、当然のように笑う奴等を！
いつでもどこでも縛られて、それで苦しませておいて、痛まない奴等を！

ここだけは――これだけは！！一歩として退くものか！！！」