第11章 雪と真相
リヴェリア「心配しなくともそのつもりだ」
フィン「死なせるつもりは毛頭としてないよ」
ガレス「レフィーヤ達が入ってから死者を出してはおらん。
今後も、決して出さんつもりじゃ」
ロキ「あー…すまん。
一人の子を選り好みすんのもあれやと思うんやけど、つい…な。
もし…もしもやで?
あんな目に遭い続けて、それが当然の環境で育って…
そのまま…幸せも夢も見れんまま死なれんのは……流石に、耐え切れん。
あいつはまだ…自分の人生を歩み始めたばかりや。
幸せやって、最近になってやっと掴んだばかりなんや!
反抗期迎えて、一気に客観視できるようになって、視野が拡がって…たくさんのもの、わかるようになったばかりや。
夢も見れんまま…死なせんといてやってくれ。頼む!」土下座
『!』
ロキ「ホンマに…スマン。止まらん。
お前達に話したんは、一番口が堅いからや。
いつかは…ばれるかもしれへん。
それでまた、街の人等のように差別されるかもしれへん。
せやけど…頼む。それしか言えんけど……
はあー…;(涙)
周りに悪い奴やって頑なに誇示されるまま、殺されるあの悲鳴が…消えてくれへん。
ケイトの心はまだ…痛みと戦っとる。心に刻まれた傷は厄介なことに消えもせん。
幸せや温かさに包まれな、癒えもせん。
癒やされること自体、10歳まで一つもないまま成長してきた。
心を殺して、意思も無くして…5年もかけてやっと、感情や意思を持てるようになったのに……
また殺されてしもうた。奪われて、一人になって…記憶まで飛ぶほど心を痛めて……
蘇りかかってたもんが全部消し飛んだ。
あんな…あんな純粋な子やのに、赦されへん。
もしまた…失えばきっと…そう考えただけで涙が止まらへんねや、どないしよおおおおお;;;」おーいおいおい!
土下座の体勢のまま泣き崩れるロキに、長い付き合いの中でも今までに見せたこともない反応に…
僕らは戸惑うばかりだった。