第11章 雪と真相
その後…精霊と共に、人間達と共に暮らしていくことを決めた彼は、彼の地に魔法をかけた。
クリエイトで結界魔法を作り、そこに近付くモンスター全てをその地下へと封じ込めるというものを。
「ここに新しい街を作ろう!!」彼はそう叫んだ。
そして森の傍を切り拓き、丘に咲く花には手を出さず、山から岩を出し、街を人間と精霊達と共に築き上げた。
安寧の地となったそこに街を作り、共に暮らし、平安に過ごしたという。
そして精霊は彼をこう呼んだ。勇者アルルェーチェと――
フィン「……これで幕引きかな?」
ロキ「まだ少しだけ続きがあるんや」
彼は、人間の中である女性に恋をした。
そして、あるお守りが託された。外見的に『金でできた十字架のネックレス』を。
それは彼女を傷付ける如何なるものも弾く、最大の護りだった。
ロキ「今でこそ効力は弱まって、その範囲はネックレスだけに留められとる。
心臓だけは護れるだろうと踏んで付けているやろうな」
フィン「なるほどね。
そう言えばネックレスのことについて聞いた時…
ケイト『これから感じるのは…とても純粋で、清らかな想いだった。
愛と共に、彼女の安寧を願って…これを送っていたのが感じ取れたから//』
両目を瞑って笑みを浮かべるケイトに、僕は頷いた。
恐らくグレイロアとは、彼の勇猛果敢なそれを忘れまいと苗字にしたのだろう。
彼の雄姿を忘れず、今ここで生きられている理由も忘れない為に。
これが…勇者アルルェーチェの全てというわけか」
リヴェリア「傍迷惑な…」
ガレス「その神の因子が隔世遺伝でも起こして顕現したというわけか?」
ロキ「多分な。念の為に、街に滞在しとった時になんとなーくうちの神血に触れさせてみせたんや。
ほんでもって…全員痛みを発しなかった。
恐らく、ケイトが一番血を濃く受け継いどるんやと思うわ」
フィン「なるほど。その性格も偉大な祖先譲りだったというわけか。
ようやく合点が行ったよ。
あれほど頑なに護ろうとすること自体、狂気を感じたからね」苦笑
ガレス「まったくじゃ」溜息
リヴェリア「自らの身体を顧みて欲しいものだ(溜息)
まあ、それができる環境ではなかったのも否めないのだが」
話し合う中、一番の問題点について切り出した。
神の因子とはクリエイトと純粋に相手を想う心だけなのか。