第66章 穢れ
ガレス「言わずもがな…じゃな。
何でもここからすれば『リアル』という世界では、ケイトの家族が死ななかった世界。
そこでは両親も姉も死なず、殺されず、引き取られもしないで済んだ。
だが、それにより…孤独な、助けのない毎日は日々精神を蝕み続けていた。
悪評を意図的に振り撒き孤立させ続ける輩達により、より一層な」
リヴェリア「ああ。確かここの世界を小説として書き記している世界だったな…
24歳になるまで父と母の離婚もされず、ダラダラと続く上
学校での状況は一変されず、理解者が僅か数人出来たこと自体奇跡とさえ本人は思っている。
だが理解者が出来たとしても…いいことが起こるわけでも進むわけでもない。
ケイト以外の輩が悪口を言っていて、先生とやらに聞かれた際には全てケイトが言っていたこととして伝えて難を逃れようとし、先生もそれを鵜呑みにする始末。
当のケイトには話す相手すらもいないというのにな…」
ガレス「そもそもが人が嫌がることをするタマではないだろう。
たとえ無理にするとすれば…地獄落ちになって欲しくない。
最低限度の守るべき筋をはっきりさせる為、意見を求める為にしかせんじゃろ」
リヴェリア「挙句の果てには嘘つき呼ばわりされる始末だからな。
「いつまで引きずっているんだ」
と思われるだろうが、何もせずに治れという方が無理だ」
ガレス「それは『されたことのないもの』の詭弁じゃろう。
それほどに毎日立て続けにされ続ければ誰でも精神が持たず崩壊するわい。
ただでさえ父も母も話を聞かず、学校でも同じ状況…理解者も味方も話し相手も聞く相手すらも一人としていない。主張すらもまともに出来ん。主導権を握れた試し等、家では誕生日だけ、学校では皆無。
精神崩壊やノイローゼにならん方が不思議なぐらいじゃ」嘆息
リヴェリア「私も全く同意見だ(嘆息)
対人恐怖症を患っているというのに、普通を強要される心痛というものを理解していないから出来る所業なのだろう。
一族の面汚しと先祖や神々が怒るのも無理はない」
ガレス「たとえ何をしたところで、謝ったところで、傷を知らない頃には戻れん。
されたことにより得た感情も、芽生えた殺意も、消すこと等誰にもできん。
本人でさえもな…←真剣睨視
恩知らずにも程がある。
仕返しをされずに済んだことを有り難いとも思わん」