第66章 穢れ
フィン「スタント・ゼロ――」
そうして…
穢れた精霊により怪人にされたフィルヴィスが
種族ごと怪人からエルフへと、ケイトの手によって戻されたように…←2339ページ参照
フィンが恙なく精霊へと種族ごと戻していく。
あまりもの手ごたえの無さに、フィンは小首を傾げていた。
深淵の大精霊、精霊神の再来とまで呼ばれた精霊とは思えない、とも…
だが…アビスもフィンも知らない。
アビス自身の内の、迷宮内の数多の絶望や人間の醜さ、穢れに飲まれて闇落ちし、全てを破壊せんとする邪心のみとなってしまった主人格。
それとは違い、未だ飲まれずにいた良心という名の片割れが既に人格ごとブランシェの中に意図的にとどまり、ケイトの中にもう1人の精霊として取り込まれたことで浄化され、セイという名の精霊として蘇っている等…←2340ページ参照
まだ…肝心の真相は闇の中――
最中
リヴェリア「ああ…
視点を、考えを偏らせれば…正義は都合よく歪曲する。
子供でも…残酷な行為をすることだってあるのだからな」
ガレス「うむ。
姉が初めての幼稚園とやらで出来た友達から、散々誘われて
両親が仕事の都合を合わせて3歳の妹と4人で遊びに行く約束を2度放棄させられた。
それらを無視してまで「私と遊んでくれなきゃ嫌!」「私と遊ぶのは楽しくないの!?」と矢継ぎ早に責め立てられ頷く他なくさせられる。
しかし、肝心の友は一度として合わそうとはしなかった。
といった事態が外ではあったそうだな。
1月という長期間に渡る友もどきによる姉の独占は、十二分に姉だけでなく妹にまで深く心身にダメージを与えた。
トラウマになるぐらいにはの。
「姉ちゃんは、あなたの奴隷じゃない!!」
そう妹が泣き叫んで姉を引っ張って強引に引き剥がしたらしい。
一方の都合を無視すれば、その家族、親類、仲間、友人達まで全て無視される結果となる」
リヴェリア「その友もどきは両親が共働き、誰も相手をしてくれない。
召使いも自分という人を見てくれない。友とはなってはくれないし寄り添ってもくれない。事務的なものでしかない。
それら寂しさあってのもので、やむを得ない事態には違いないがな…」
ガレス「で?そ奴等は相互理解は出来たか?」
リヴェリア「ああ。最終的に仲直りしたらしい。
互いの状況を伝え合ってな」