第66章 穢れ
リヴェリア「……ようやく…全てが腑に落ちた、とでも言うべきか…」
フィン「モンスターを倒せば、一つとなっている生物はいずれにせよ、例外なく消える…
ブランシェやケイトが、そうであったように…
そうなりかけたように……←1779,1780ページ参照
だがアビスの魔法がそれごと蘇生する魔法だというのが厄介な点だ。
が…それも、精霊王の権限の前では無意味。
僕は…『ケイトの半身(2409,2459ページ参照)』としても、この事態は看過できない。
精霊アビスを消すべきだ。
だが……ケイトは、君が消滅するのを望まないだろう。
だからこそ…今ここで、君を本来の精霊という種族へと戻す。
君(ケイト)が…ブランシェへそうしたように。出来た理由はそこにある。
モンスターに飲み込まれたもの全てへ…そうしたように。
モンスターと分離させ、アビスが取り込んだ絶望も穢れも浄化し、元の清浄な精霊へ戻す!
僕の神の力、スタント・ゼロ(1819ページ参照)と、精霊王からも正式に与えられた権限及び力ならばどうにかなる。
ラウル、手腕は見事だったよ。
悪いが…精霊だけ助けさせてくれ」
ラウル「も、勿論っす!」
リヴェリア「………
(恐ろしい奴だ。
ケイトを守るよう精霊王からも言い含められたからこそなのだろうが…
全てを利用する気でいる…)
まあ…肝心のケイトが、人の不幸を哀しみ気持ちに寄り添える人間なのが救いか…
もし、…もしも……
ケイトが、人の都合も、不幸も、気にしない、寄り添わない人間であれば…
それに染まり、地獄落ちの道へとまっしぐらになる可能性もある。
あの世界のように…」
ガレス「例のか?」
リヴェリア「ああ…ケイトの唯一嫌う、な。
地獄落ちするにも、それをしたあれだけでなく周囲までが巻き添えを食らうことになる。
盲目的に執拗に執着させることで気付かぬ内に。
全てを地獄落ちへ導く…そう形容される理由がわかる気がする。
あれとケイトは…まさに対極だ」
ガレス「方や周囲を地獄行きに巻き込み、ケイトは天国行きへ巻き込む、か…
まあ…人の気持ちや都合、それを気にすることは…
気に掛けた一人だけでなく、その家族や親族、友も大事にすることに繋がるからのお。
蔑ろにし、自らや仲間内のみの幸せばかりにかまければそうなるわい」嘆息