第66章 穢れ
次の瞬間、再び魔石から不死鳥の如く蘇る…
魔石から闇が溢れ、同時に闇が体を形作ってゆき
逆再生の如く、あっという間に全身が形作られ元へ戻った。
出会った当時のような…威圧感を伴った存在(ボス)として……
『!!!』
ラウル「狼狽えるな!!盾、構え!!」
同様に対処していく中、フィンの言葉は淡々と続いて行く…
フィン「大元の穢れの精霊が7体…
いや、ケイトと出会う前に僕達が戦った1体、ケイトと共に戦った1体も含めれば9体。
更には魔石を埋め込まれた怪人、巨蟲(ヴィルガ)や食人花(ヴィオラス)や極彩色のモンスター等々…←2339ページ参照
それらは全て…あいつの分身であり、手足であり、情報源だ。
恐らくだが…闇という性質の下、絶望を取り込み過ぎたんだろう。
迷宮内で、当初は人間達を導き、共に戦い、守り、破れ…
モンスターに食われ、穢れた精霊となった原初のものだとも言える」
リヴェリア「ならばどうする!?
いたちごっこに終わるぞ」
フィン「ああ。ラウルも気付いている。
今回ばかりは…どうにもしようがない。
と言いたいが…一つ、忘れてはいないか?」
リヴェリア「?
勿体をつけている場合か!?」
フィン「怪人が…レヴィスが、大精霊をその身に宿した体。
ひいては勇者アルルェーチェの末裔を前にして即座に撤退を選んだ。←511ページ参照
その理由を、僕は精霊王から教わった。
大精霊が身に宿ることによる精霊寵愛、精霊導が出来るのは…『精霊王の半身』のみ。
それ以外は全員出来ない」←419~420ページ参照
『!!』
フィン「レヴィスが逃げた理由は…
『精霊王の半身』になると共に代々受け継がれ、引き継いできた『精霊王の権限』。
精霊の断罪、消失だ。それは怪人でも同様だ。
精霊王とは…精霊として神から与えられし役割を全うさせる為、統率させる為に存在する『種族名』だ。
王という名の通りに…精霊達を率い、導くもの……
精霊が神から与えられた役割とは、人を助け、導くもの。
決して、間違えた方向に導いてはならない。殊更、滅びへと向かう道へは…
だからこそ精霊の中でも王たるものは…精霊を断罪し、消す権限を与えられる。
自らの裁量一つでだ。
だからこそ…権限に、精霊王の半身に目覚めていないとは言え…撤退を即座に選んだ」