第66章 穢れ
ラウル「すぅ~!
フォーメーションB!!
前衛(魔力金属製)盾構え!!←2138ページ参照
中衛、後衛、神剣構え!!←2094~2098ページ参照
十二分に引き付けるっす!」
その瞬間、弾かれたように皆が動き出す。
滑らかに、敵を囲うよう扇形に拡がり
前衛は大盾を構えて踏ん張る構えをし、中衛のガタイがよく力の強い一部の団員が前衛の背を後ろから支え
他の中衛と後衛は全て神剣を持ち、いつでも撃てるよう構える。
ラウル「最大火力!!てぇーっ!!!」
次の瞬間…火が穢れた精霊の咆哮を飲み込んでゆく。
と同時に、凄まじい上昇気流と共に大気が熱風となり奔流となり
火災旋風(かさいせんぷう)という名の激流となって皆を巻き込まんと荒れ狂う。
ラウル「ふんばれぇーーっっ!!!!!」
その火が止むまでの間…
神剣を持つ後衛の更に後ろに配置された後衛が魔力による強化を前衛とそれを支える中衛へかける。
正面の敵ほぼ全てが火災旋風と共に消え去ると同時に、配置についたばかりの遊撃隊が動き出した。
正面から神剣と防壁が陽動及び引き付け部隊とするならば
穢れた精霊の側面からの攻撃が、アイズ達による風(エアリエル)の不可魔法(エンチャント)を伴った物理攻撃部隊、
そして…背面からの攻撃が、魔導師による強力無比な全体魔法攻撃。
穢れた精霊が背面へ意識を向ければ、正面の神剣の威力を強めて引き戻し
正面へ向けば側面が、側面へ向けば背面が…
様々な動きを率い、導き、誘導し、ものの見事に仕留めた。
ラウルが団長として皆を導けるかの最終試験←2357,2433ページ参照
その突破は、十二分過ぎる結果だと言い切れるほどのものだった。
が…詰めが甘い。
魔石は取ったが…蘇生魔法を持つ可能性もある。
やはり…か。
フィン「話には聞いていたが…
精霊王の言う通りの精霊だ」
リヴェリア「?どういう意味だ?」
フィン「そのままの意味さ…
あの精霊の名は――アビス
元は…深淵の精霊であり、神に近い次元に居た。
闇、強化、蘇生を使いこなす精霊だった」
リヴェリア「瞠目)!!
待て、つまり」
フィン「ああ…
たとえ吸収されようと、ブランシェに食われようと←2062ページ参照
魔石だけになろうとも…
自己蘇生で――何度でも蘇る」真剣