第65章 新たな冒険
その経験は、必ず為になる。
死後幾百年経とうとも…私が私である為の支えとなってくれたように、掛け替えのない経験となる。自分を見つめ直すきっかけにもなるはずだから。
必死に考え抜いて決めたのなら、その場に立っても手を止めるべきでないと判断したのなら…殺せ。
私も…その咎を負うよ。半分背負って、共に生きていく。
それが…私に出来る、お前への愛であり…覚悟だ」真剣
その発言に…瞠目と共に震えが止まらなかった。
それは…地獄落ちを覚悟した上でも、迷わず進む…
そう断言しているのも同義だから……
アスフィ「…そんなことを…思っていたのですか?」
その重さに…震えが止まらず、震えた声で絞り出すように尋ねた。
ケイト「ああ…
お前達を、心底信じているから。
その選択に安心して身を委ねられる。
たとえ間違った選択を取ることになろうとも一緒に、乗り越えられるよう助ける。
……どちらも不幸になるのは…既に知っている。
それだけじゃなく…きちんと教えた、伝えた。
言いたい言葉は…もう、山ほど。
だから……復讐したい時が来たら教えてくれ。
必ず…力になる」
アスフィ「あなたに何の得があるんですか!!;」
ケイト「んー…ないね」
アスフィ「わかっているのなら何で!!
しない選択だってあったでしょう?!止める選択だって!!」
ケイト「しょうがないじゃん」
アスフィ「何が!
ケイト「好きなんだから」
アスフィ「!!?!?!?」ぱくぱく
ケイト「…好きだから…どんな選択を取っても、取られても…それごと愛するよ。
私は…お前を信じることを、愛することを…尽くすことを…自分で考えて選んだんだ。
お前の意思じゃなく、私自身で決めたんだ。
だからさ…^^
赦してくれ…
止めず、その場で決めさせようとする愚かな私をさ……
それぐらいしか…私に出来ることはないんだ。
その場にならなきゃ気付けなかった…愚かな、当時の常識に縛られた武士(私)には」
自嘲気味に語るそれに、私は口を手で押さえ頭を振るばかりで…声を発せず涙を禁じ得ませんでした。
フィン「酔っているのかい?僕達への愛に」
ケイト「ああ…
もう…知らない頃へは戻れない。戻りたくもない。
何を背負うことになろうと…共に生きたい。居たい。
私の…魂からの想い、本心だ」微笑&涙目