第10章 準備と発明
遠征4日前の晩に猛烈な寒波が襲ってくると報せがあった。
明日は雪かな?
そう考える中、再び発明品を持ってきた。
ケイト「あのね。音波を鳴らすってことは空気を振動させるってことでしょ?
それは壁にぶつかると反響して返ってくるんだ。
それを利用して迷宮の全体マップを光で示してくれる板を作っちゃいました!」
フィン「へえ。それも世紀の大発明にならないかい?」
ケイト「さあ?でも音波がまだ決まってなくってね…
人間にもモンスターにも聞こえないような音波って中々なくって…
全体に広げられるほどのそれじゃないといけないから」
フィン「なるほど。で、どんな感じなんだい?」
ケイト「こんな感じなんだ」
きいいいいいいいいいいいいいいいいいい
次の瞬間、つんざくような音波にとんでもない不快感に駆られた。
フィン「…つんざくにもほどがある;」両耳押さえ
ケイト「ごめん…私にも大ダメージ;」ぜーぜー
ドドドドドドドドド
ばんっ!!
ティオネ「どうしました団長!!?」
ケイト「ごめん。実験してたんだけど失敗した;」
ティオネ「凄まじい音だったでしょ!一体何!?」
ケイト「それがかくかくしかじかで;」
それから原理を説明してみた所、誰の耳にも響かないような音の研究に没頭し始めた。
ロキに聞くのが一番早いと思うけどね。
そう伝えると、瞬く間に一緒になって走っていった。
世紀の大発明が完成する所を見たいのかな?
まあ僕もだけど←結局ついていく
黄昏の館、最上階…神室
ケイト「ロキ!誰の耳にも響かない音を教えて!!」
ロキ「おっわあああ!;いきなりなんや!!;」
ケイト「かくかくしかじかなんやあああ!!」
ロキ「口で説明せーい!!;」ビシッ
それから後…発明品は簡単に完成した。
超音波という人間の耳にそれほど認識を残さない音を教えてくれた。
ああ…確かに蝙蝠もやってることだと思ったのは言うまでもない。
僕はそれよりも、ロキが後ろに隠した古びた本がやけに気にかかった。
ロキ「知ってるか?雪降るねんで。
シロップかけて食べると美味しいんや」キラン
ケイト「ホント!?//
雪見たことないよ!楽しみ!!」キラキラ
『ゆーき!ゆーき!!^^//』
手を取り合って共に叫んではしゃぐ中、リヴェリアがロキに鉄拳を叩き落とした。