第10章 準備と発明
ケイト「遠征でチームごとに分かれるのなら3つぐらいは通信できるものが必要じゃない?
って思って作ってみました!どうだー!!」
ばんっ!!
そう机に叩きつけるように置かれたものを見て、僕は溜息をついた。
…また、とんでもない発明でもしたのだろう。
それは小さなもので、互いの魔力で共振し合ってそれを持った者の周囲の声を伝えるのだという。
(こちらの世界で言う所の電話である)
フィン「なるほど…確かに連絡が取り合えるのは非常に助かる。
でもいつでも聴けるのかい?
そうしたら独占しそうな人がいるんだが…;」
ケイト「大丈夫。
コールで呼びかけ、ピリリリって鳴るようにしてるから。
その上で真ん中のボタンを押さない限り通話状態にはならない」
フィン「なるほど。逆にこちらからかける時はどうすればいい?」
ケイト「その場合は真ん中のボタンの上に、2つボタンがあるでしょ?」
フィン「ああ。あるね」
ケイト「1つが1番で、もう1つのが3番。
そのボタンに番号が書いてるでしょ?
フィンが持ってるのは2番なんだよ」
フィン「なるほど。やりやすいな」
ケイト「ちなみに…効力は無制限(キラン)
周囲の魔力をもとにいつまでも永久的に起動し続ける!!
しかも望んだ時だけかけることも可能!モーニングコールだって可能!!
おまけに…私の魔力が切れたとしても、死んだとしても消えはしない!!
そう!祖先が残したこのネックレスのように!!!」ぐっ!!
そう胸ぐらを掴んで差し出そうとした瞬間、それは見事に空ぶった。
ロキに預けたことを忘れてたんだろうね^^;
そう思いながら苦笑する中
一瞬で真っ青になりながらわたわたと空ぶった手で懸命に探し
捜し終わった後に思い出したようで、はっとした表情を浮かべ
僕の顔を見てから真っ赤になり、慌てふためいていた。
ケイト「うん!だから!!
100年経っても大丈夫!!!//」ぐっ!
半ば混乱したかのような声で拳を握り締めながら叫んだ。
フィン「ふふっ。重宝させてもらうこと、間違いなしだろうね^^」
そう笑いながら答えると、「よかったあ^^//」と満面の笑みを浮かべた。
思わず頭を撫でる中、ケイトはくすぐったそうに微笑んだ。
されるがままの彼女を、僕は笑いながら見つめていた。