第65章 新たな冒険
『そんな…そんなに辛い想いをしていたのなら!何で教えてくれなかったんですか!!;;』
ケイト『いや、気付けてなかったし…;
いつの間にか…忘れてしまっていたんだ。忘却の彼方へ…
でも…今ではちゃんと思い出せた。
自分を傷付けて…笑えていたのは…
嬉しいんだ、守れていることがわかってさ。
殴れば殴る分…傷付ければ傷付ける分…守れてる、嬉しいなって…
自分を悪いものだと思いたかったのかもしれない。
悪くないのなら自分へ当たれなくなっちゃう…
でないと…自分を保てなかったから^^』
『『『目が笑えてないよ;;;』』』
『……そうか…
気付けるぐらい…安全となったから。
それに立つ段階へ至った、ということか』
ケイト『うん…きっと、そういうことだと思う。
もう…必要ないんだ。
役目を終えたんだ…この当たり方も、乗り越え方も…
当時じゃ…それが出来なければ、自分を保てなかった。
自殺しようと思い悩んだりもする始末だったから。
もう…愛してもいい段階にある、ということ…だと思う
『当然じゃないですか!!;;』←再び涙を流しながら抱き締める
ケイト『?!;』
『難しいことなんて何もない!;
あなたがあなたを大事にしなくてどうするんですか!!;
そんなの――勝手でしょう!!;;』
ケイト『^^
うん…勝手過ぎたね…
勝手に…頑張って…勝手に、死ぬつもりだった……
ごめんね…痛いよね……私にも…ごめんね』
慈しむような、哀しい眼差しで…幼い頃の闇へ突き飛ばした自分に向けても、呟いていた。
散々押し込めて、閉じ込めて、殺し続けてきた。人に出来ない分、自分一人のみにし続けてきた。
闇への人一倍強い抑制力…それは、これがあってこそだった。
その正体が明かされた瞬間でもあると同時に、脱却する為に必要不可欠な情報が判明した瞬間でもあった。
それらの原点を教わっている頃…
現実のケイトの方は…晴れやかな表情をしていた。
フィンと引き離されているという状況下で…;
しかし…それがまた別の波乱を呼ぶことになるとは思いもしなかった。
アスフィ「やはりケイトはあなたがいない方がいいんです!」
フィン「いや喜んでるのは心の内の整理がついたからで;
神の力で知っているだろう?!;」
『知ってるけどそういうことにさせて!』