第65章 新たな冒険
その後、最後にこう言った。
「気の済むまで殴り合ったとして…傷付くのは自分一人だけとは限らない」と。
その言葉の意味がわかるのは…殴り合った経験をしたもの、それと関わったもののみだった。
「噂に振り回されないように。気にしないように。流されないように。
実際に見ると聞くでは大違い。
噂を振り撒くのは人、他人です。
自分の目で見極めるようにしましょう。
そして悪意を持って人を傷付ける噂を振り撒かないようにしましょう。
どう在っても受け入れられないとしても、自分とは違う個。
学ぶ段階にある。
そしてそれは皆同じだということを理解するように。
得意不得意、環境、感性や価値観、出来ないことへの経緯が皆違うように、学ぶべきものもまた違う。
違う人間として、個として、万人を受け入れられるよう、大きく器を育てなさい。
力や言葉を意図して傷付けるように使えば、それは暴力や暴言と成り下がる。
その時点で、自らがした相手一人だけでなく沢山の人が傷付く。
傷付けるということは、殺すという結果にまで結び付くことにもなる。
殺戮者になると思っていい。過言でもない。
この世ではいくらでも自由にできてしまう。
だからと言って、犯罪行為をいくらでもしていいという訳ではない。
世でやれば犯罪者として取り締まられる。
そうならない為にも、学びなさい。
譲れないものが違った時、どうあっても譲れない時、どうすればよいか。
実際にぶつかり合い、糧とし、経験として、身を持って学び、身に付けなさい」
他の先生の方からも言われていた。
人格を重視する教育方針、という前置きもあって。
担任「どんなことがあっても気を落ち着けて深呼吸。
落ち着いて対処できるように。
という技術も身に付けていきましょう」
『はーい!』挙手
そういった学ぶ分野や範囲は学年ごとで変わります。
ただ苦手で合わない人もいる為、一人一人に確認を取り、精神状態に十分配慮した上で行われています。
「何て中等部なのにお遊戯とか…」
トール「4歳、5歳なんだから仕方ないって。
勉強だって混ざってきてるだろ?
ゲーム形式の」
「知ってる!
楽しいよね^^」
「楽しく学べていいのかしら?」
トール「いいんじゃない?
少なくとも、ここ以外の学校よりはいいよ^^」