第65章 新たな冒険
トール「殺人者!?;」
校長「うむ。
それも抵抗できない姿を見て、楽しいと感じる輩が非常に多くいる。
弱肉強食の世界ならば別だが、ここは違う。
それを理解せず、ただやりたいようにやりたいだけのガキに他ならん。大人になってもそのままの者も居る始末。
…狂っておるから…これほどに乱れる。この世も…社会も……
領主様に拾われねば…どうなっていたことやら……
とスマン。話がそれた」
トール「いえ……僕も、そう思います。
好きにし過ぎて、踏みにじられるものへ寄り添わない社会でした。
少なくとも…僕のパパに…冤罪を、擦り付けた」
校長「うむ…
あちらでは権力者、発言者の味方の多さで、少数派を踏みにじり、発言力が無いものとして貶めておる。
だから…その者らにはろくなものが寄り付かん。
因果応報。この世でなくとも、あの世で必ず返る。地獄落ちという形となって…
どんな形であれ、人にしたことは返ってくる。
狙ってさえいなければ、な」
トール「狙ってやっていたらどうなるんですか?」
校長「プラマイゼロじゃ。
自分の利を強く意識した上でのものならそうなる。
相手の為にとか、少しでも相手の力になりたいとか、そういった理由ならば紛れもなく天国行きへプラスされるが…
人間というのは、欲が深いものじゃからの……
おっほん。本題に戻そう。
いじめとは…主張の強い輩が吹聴し、皆を抱き込み、意見を統一し、一人のみを集団で陥れる行為を指す。
執拗に責めること、それは相手を傷付けることに他ならない。
それを長年続けるということは、『ずっと人を傷付け続けるということ』。
されたからしていい、として長年ずっと続けてしまう。
だが実は、『それ以上に相手を傷付ける行いをしている』。
先にされたからといって何をしてもいいという免罪符にはならない。
相手を傷付けた所で、責められないで当然とはならない。
何故ならば…一番傷付けているのは、そういう吹聴をし続けておるものだからじゃ。
下手をすれば地獄落ちになるやもしれん。
あの校訓は…それを避ける為、人として成長させる為というのもある。
ただ悪い点を言い続けているだけでは何の成長にも繋がらん。
「地獄落ちから助けたいが故」でもない限りはな。
そんな良心があったら正面から諭す」
トール「あ、確かに!」