第2章 冒険者・1日目
ケイト「魔操作でできることは…
空気中及び体内の魔力を自在に操作でき、自らの力・武器・防具へと還元すること。
空気中のそれを瞬時に凝縮させて防御結界とすること、空気中の魔力を自身の魔力へと還元すること。
術者の周囲の魔力を意図的に乱すことで魔法の妨害も可能。
って感じだね」
アイズ「うん。白く発光するぐらい圧縮された魔力を武器にも纏えていた」
リヴェリア「ああ。体外に出した魔力も身を纏う防御結界へと操作できていたな」
ケイト「確認に付き合ってくれてありがとう。お陰で把握できたよ」ぺこり
リヴェリア「いや、精神疲弊(マインドダウン)で倒れる可能性が極めて低いことがわかって何よりだ。
それ如何によって今後の訓練の方針も変わるだろうからな」
ケイト「なるほど」
アイズ「ケイト…」
ケイト「ん?」
思っていたことを、私は言い放った。
アイズ「私にも、体内の魔力操作を教えて欲しい」
ケイト「え?でもそれって筋力や神経の伝達を速くする程度で…
そもそもそれがなくてもアイズは十分強いと思うけど?」
アイズ「私も…できるようになりたい!」
ケイト「!…」
リヴェリア「ケイト、受けてやれ。
レベルに伴う圧倒的実力差を感じさせなかったのは、実戦経験によって生み出した我流だけじゃなく
それもまた含まれているのだろう?
ケイト「…うん」
リヴェリア「私だけではない。
きっと誰もが、魔力を体内で使って強化しているなど感じもしなかった。
魔法と呼ばれるそれでは無いが、威力やスピードは十分見た。
それを習得できれば、きっと強みになるだろう」
その言葉に、私は頷いた。
アイズ「私は、その土壇場で生み出したんだと思う。
魔力の体内操作だけで、身体能力を底上げする技能を。
それだけじゃ足りない部分を、剣術と体術で補っていた。
だから私も…教わりたい。
教わって、まだ知らない高みを掴みたい」
ケイト「……
わかった。
感覚でしか教えられないけど、それでもいい?」
アイズ「こっくり)十分。ありがとう」微笑
そう頷いた矢先、ロキが飛び込んできた。