第64章 新たな指摘
それに彼女は答えた……
ただいまと、満面の笑みを浮かべて――
もう脅かされることはないだろう。彼の呪縛にも、影にも…執着にも……
ケイトに問うてみると、「必要なことだった」。
そうきっぱりと言い渡された。
「私には必要な経験だった」、と。
「必要以上にご都合主義では、皺寄せが必ず生じる。
その代表例と触れ合い、実際に体感したお陰で、他ではなし得ない体験ができた」とも。
………何ででしょう…
男らしさまでぐっと上がってる!!!?//;
テロップ『今更過ぎる!』
ケイト「けど暴走していた時のって…悪口扱いで、地獄落ちにならない?;」
フィアナ「なりません。
説教は地獄落ちにはなりません、特に相手を心配してのそれはね。
でなければ気付かせてくれる役割に当たる人が機能しません」
ケイト「…あのね…無視したとかって話なんだけどさ。
あっち(リアル)の私の魂と強く結びついてるっぽい。
主導権は全て、父が握っていた。母を通して、父が直接でもお前達は所有物だと日々その日の気分で八つ当たりされ続けていた。
日々その日暮らしで乗り越えるだけで精一杯だったし、外でたった一度だけ訴えかけて勘づかれた時は殺されかけたし。
父に尻を生で犯されたあの時(7歳の夏)に心は既に折られてた、だから反抗期がなかったんだろうね。
姉だけは順調に反抗期迎えて、親と喧嘩して、巻き添え食らって左目の中に指入れられて、そこから左目だけ焦点が合い辛くなっていったけど…
祖父母は一階の安全圏から大丈夫か、やめやー!しか言わなかったし、孫や子の私達よりも保身だけに走る人達で…
頼りにならないし、金銭面でも助けてくれたことなんてない、好きにしか動かない人達だから。
女である事は痛い程痛感させられた。
でも誰も守ってくれないから、母も姉もガタイよくないし筋力も無いから、私自身を鍛えることに決めた。
刻み付けられた恐怖に縛られかけながらも、必死に食らい付いた。抗った。
抗ってでも…誰も…殺されたくなかった。
殺されていたら、虐待が日の目を出ていたんだろうけれど…そんなの嫌だったから。
だからかな…男の人が死ぬほど苦手だった。
私と同じ名字の人が呼ばれて、たった一度…「お前じゃねえよ!」って叫ばれた。
死ぬほど怖かった。
殺されかける。
反射的にそう思ったから」