第10章 準備と発明
ケイト「放っておけなかったのは、それでなの?」
フィン「正確には、それもあるといった感じかな。
見ていて放っておけなかったし、人の為なら…全てを投げ打つほどのことは平気でできるだろうから。
…幻滅したかい?」
ケイト「?何で?」きょとん
フィン「…僕がしているのは、君を利用しようとしているようなものだ。
君が拒否しておけばよかったかもしれないと思うことだって、この先ないとは言い切れない。
それでも…結婚して後悔しないと言い切れるかい?」
ケイト「後悔しないよ。当たり前でしょ」きっぱり
フィン「…え?;(聞き間違い?即答?;」たらたら
ケイト「だって…言ったでしょ?
一緒に居たいって。どんな風になろうがどうだって構わないよ。
未来なんてわからないし、予測なんてつくものばかりじゃない。
でも…フィンはちゃんと見てくれた。向かい合ってくれた。
何より、こんな私を受け入れて…愛してまでくれた。
あまつさえ私に降りかかる不幸や理不尽を払おうとまでしてくれてるのに、幸せにしようとしてくれてるのに
そんなものを聞いたぐらいで引くとでも?
逆に引けないよ(むすっ」
フィン「瞠目)…
(くす)眉間に皺を寄せながら言うことがそれかい?^^」
ケイト「自分で決めた道だ。責任ぐらい取るさ」腕組
フィン「じゃあ知った今でも後悔はしてないんだね?」
ケイト「当然だ。
さっきも言ったけどね、私は絶対引かないから!
私はフィンだから救われた。沢山助けられた。
街の人と再会させられた時、悪夢を見た時、それこそ死ぬほどに。
私は…人を見る目だけはあるつもりだ。
そもそも私が自分で選んだ伴侶だ。恋焦がれる人だ。最も信頼できる人だ。
愛しくて…仕方のない、初恋の人だ。一生一緒に居たいと想い焦がれる人だ。
…結婚する理由なんて、生涯を共に遂げる理由なんて…それだけで十分だろ//」ぼそ
照れ臭くなったのか、最後の一言だけ顔を逸らしながら言われた。
ややあって、僕はその覚悟を前に一つの言葉を返した。
フィン「くす)…期待に添えるよう頑張るよ//」なでなで
いつものように、頭を撫でながら…
想い人にそう言われたことを、その嬉しさを噛み締めながら誓った。