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Unlimited【ダンまち】

第64章 新たな指摘





自然と涙が流れ落ちていった。

笑い合いながらも…気付けば、泣いていた。
嬉し涙か、感極まったことによるものか…定かではない。


だが…今私達の中にあるのは、出会えてよかった、という感謝の気持ちばかりだった。



ケイト「法律が、負の連鎖…殺しによる応酬のし合いを未然に防いでいる。
だから…犯罪行為を平気で犯して、責められる謂れの無いとする輩が…父と重なるんだ。

皆…苦しくても殺したいほど怒ったり憎くても法律守ってるのに、何一人だけ好きやって責められる謂れなんて無いって体を装ってるんだって。


鍛え上げることで、守ることを選んだ。

それに対して周りの人は…素知らぬ顔して言う。
「贅肉じゃない?」だの「デブ」だの「速く走るな」だの…

環境も経緯も何も知らない輩が、さも当然の事実を言っている体を装い、嘘も混ぜつつ大袈裟に囁き、噂を流す。
苦しめる目的で、一緒になってせせら笑って、面白おかしそうに人の不幸を肴に、決して守る為に間に入らない高みの見物者、傍観者として楽しむ。

そういう輩にしか…巡り会わせに恵まれなかった。


私は私で…彼の件に関しちゃ貶す意図も無いし、事実を言ってるだけ。

道具が無ければ実力が出せない。
それだと無い状態の時に襲われれば死ぬ。
無い状態で強くなって道具でも何でも傷付けず守れる奴になってから言え。
身を案じてるだけ。本当にどうでもいいなら最初から殺してる。
って感じに接してた。

人の命を奪ったこと…白蘭を怒り任せに、ディモンを殺さず重力の炎で捕らえられるか確かめる方法もあったのに、止めを刺した。

人への殺しに対して、自分が犯したことに病むのが…常人の精神構造だ。
ましてや…殺された記憶のある、自分が殺した相手が目の前に居れば…到底正常ではいられないし、精神が狂うだろう。
だがあいつは…欠片も悪びれないし、罪悪感を感じていないし…何より、責められる謂れなどないと思い込んでいる。
その姿勢が…とても、父と似ているんだ。血の繋がった…唯一の父親と。

葛藤とか苦悩とか後悔が欠落しているから…余計受け入れられないんだろうなあ。
だから感情移入し辛い、っていうのが私の感性なんだと思う。

とりあえず、私は私の道を行くか…
全く相容れない道を自ら選んでいってるんだろうし、放っておこう。わかっているかどうかはもう置いといて」


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