第64章 新たな指摘
怨むのも憎むのも…もう疲れた。
そう言いたげな目で、諦めたような目で…
満たされない過去を見つめるよりも、目の前のいて欲しい人がいる現実を見つめていたい。
もっと触れていたい…温もりに身を埋めていたい…
それらの気持ちや想いが、顔を僕の胸へ埋めてくるケイトから伝わってきた。痛いほど…
ケイト「私のこと…気持ち……
わかってくれて…受け入れてくれて、ありがとう」
涙を流しながら最後にそう言って笑い、意識を手放して眠りについた。
離すまいと縋り付き、顔を埋めたまま、濡らしたまま…幸せそうに……涙の筋が残りながらも…頬が緩んでいた。
感謝しているのはこちらの方だ、と伝え、眠りについた彼女へ唇を奪った。
幸せそうに笑みを浮かべるそれに僕も笑みを浮かべながら、共に眠りについた。
抱き締め合いながら…
ケイト「目先のことばかりにとらわれてないで…今できることに集中しなさいって言ってるのかな…神様…
全部、背負った上で…それでも…前へ……皆と……一緒に………」
フィン「ああ…そう思うよ」
夢うつつに呟くそれに、僕は頷いた。
ケイト「そういう時期だったり、役割だったり…色々あるのかなあ……
でも…それでも……もっと早く会いたかったなあ………」
フィン「僕も…同じ気持ちだ」
ケイト「……まるで…一つの大きな生き物みたい……
世界丸ごと……全部が………」
フィン「スケールが大き過ぎる……;
だけど…強ち、間違いではないのかもしれない。
また一つ…教えてもらった……か……」うと
「「すーすー」」
気付けば…互いに眠り切っていた。
遠征からの帰還日を修正することも忘れ、ただただ君の力になりたいが為に意識を全て削いだ結果だ…
朝
ケイト「ええ?!;3日後!!?;
聞いてないよ!!;アルとディに知らせないと!;」
フィン「待ってくれ!;
教える時機が速過ぎる!;
せめて緊急事態が発生したから遅れるということに
ケイト「えー;
そんな嘘ついていいの?
アルとディの眼が今後どうなることやら…」じと目
フィン「ぐさっ!)…;
正直に伝えておいてくれ;(瞑目&たらたら)
僕のせいじゃない。ラウルの不手際だと」
ケイト「了解!」敬礼&ビシッ!!
かくして……
僕の名誉は守られた…のだろうか?;
テロップ『さあ?』