第64章 新たな指摘
ルパン「お前が背負うことじゃねえよ」
と言うのも…証拠の盗みに走る前、こう会話されることになっていた。
ルパン「尻尾も見せねえ奴(やっこ)さんだ。
さぞかしたんまりと罠があるんだろうよ。
難攻不落…虎の穴!
ワクワクしねえか?」にや
次元「しねえな」
五ェ門「同感でござる」
ルパン「……だな…
あいつをあんなになるまで追い込んで、悩ませた奴だ。
一発ぶん殴らねえと腹の虫が収まんねえ!」ギリッ
その後…銭形によって逮捕された訳だが……
3発ほど全力でぶん殴られた跡があり、服も下着も粉も残らないほど細切れにされた状態で縛られていたらしい。
銭形「こりゃあ…やり過ぎじゃねえか…?;」←帽子を押さえつつ眉を顰める
当然の報い、と書かれた紙が額に張られていた…
となるのは今朝の話…
昨晩、皆が寝静まった頃…
分身と入れ替わったケイトの本体が、眠れないとのことで僕の本体のもとへ来ていた。
遠征から帰る日の件を打ち明けるべきか迷ったが…先に不安そうに揺れる目を見て、聞くべきだと判断した。
悪い噂ばかり意図的に流されて、鵜呑みにされて、真実を言おうが助けを求めようが嘘つき呼ばわりされて…
泣こうが喚こうが反論も抗議もしこりしか残さず、溝が深まるだけなのが見えてしまって、無駄なのが見えてしまって…
無駄なあがきと判断して、主張するのをやめてしまった。
言動で噂とは違うといくら示しても無駄、見ようとする人などそうはいない。
見る人がいればそれはおかしいと皆でタッグを組み、毒されていると毒牙に犯されているとまで言われる始末。
周りは自分にいいことが一つでも起これば、面白くないから好きなように言う。
さっさと一秒でも早く潰れろとでも言わんがばかりに周囲は完璧を求め、他には一切求めない。
ろくな目に遭わなかった。
それ以外の目に等、遭わされたことすら無かった。
いつしか…諦めていた。
どうにもならない現実に……
それらの想いが、言わずとも伝わってきた。半身故に…
ケイト「毒牙に犯されているとか言われたら、どうするの?」
フィン「…?」
ケイト「私の事」
フィン「誰が
ケイト「全員から!」ぷるぷる
恐怖と不安が入り混じった瞳で、声まで震わせながら…慟哭かと思わせるような悲痛な声で叫ばれた。