第64章 新たな指摘
ルパンが銭形と別れた後、分身のフィンが物陰から現れた。
フィン(分身)「礼を言うよ…
彼女の悪癖には、常々困っていたんだ」
ルパン「…夫、だったよな?ケイトの」
フィン「ああ。
フィン・グレイロア・ディムナだ。
今回のこと、感謝に堪えない」お辞儀
ルパン「別にいーって。
んなことより泣かせんじゃねえぞ!」
フィン「じゃあ君にはどうしたらいいかな?」くす
ルパン「いやいや!;恩人になんかするのか?!;」
フィン「君が受ける気ならね」
ルパン「いやいや!受けねえっての!!;」瞑目&頭振る
フィン「そうか。残念だよ。
せっかく豪華ホテルのスイートルームを君達へ取ろうかと思ってたのだけれど、やめにしよう」
ルパン「待って待て待て!受けます受けまーす♪」挙手
次元「おい待てコラコラ;
受けねえって言ったんだから実行しろ」
ルパン「ん?有言実行?
俺は気の向くままにやるだけよぉ♪」
次元「てめえ言ってること前と違ってんだろ!;
掌返しも大概にしろ!;」
ルパン「まーまー落ち着いて。
貰えるもんなら貰っとこうや^^」
次元「貰えるか!!;んな高そうなもの!;」
フィン「じゃあ居住区の家をあげようか?
定住権も一緒にね。
それぐらい…ケイトにとっては衝撃的だったろうし…これで少しは懲りるだろう…
と思いたい」
次元「もし懲りてなかったら?」
フィン「その時は…その時さ。
生憎…たった一度程度では拭い去れないほどのことを、彼女は受け続けてきた。
彼女が真に求めるのは…ちゃんと見て、大事にしようとしてくれる人だ。
そして…その人の為なら…死ぬことすら厭わないだろう。
一度、全て死なれたから…
結果として…残される者達の気持ちより、もう二度と味わいたくないという想いの方が勝ってしまっている。
地獄と表現しているぐらいだ…
事実、僕もそう思う。
だから…強くは責められないし、求められないのも事実なのだけれど」
ルパン「なるほどな…
背負い込みがちなのも、相手を大事に想うが故、か。
だがはき違えてもらっちゃ困るよなあ。
相手の為にはならねえ。人のそればかり背負ってもな」
フィン「全くその通りだよ(瞑目&苦笑嘆息)←肩すくめる
人に甘い分…それを自分にも向けて欲しい所だ。
が…それまでの過去が、それを赦さない」真剣&遠くを睨視