第10章 準備と発明
小人族と子を作れるのは小人族、アマゾネス、ヒューマンのみ。
アマゾネスはまず論外で、ヒューマンとの間で生まれる半亜人(ハーフ)…ハーフ・パルゥムでは一族の希望の象徴とはなれないと思った。
一族に誇りをもたらすには、純粋な小人族でなければ駄目だと考えたからだ。
一族の再興には自分と同等の旗頭、【勇者】とまで謳われた自分の血を何世代にもわたって残す必要があり、その後継者は小人族である必要もある。
だからこそ、ロキに最初の入団者として入団する際に二つの条件を出した。
一つは一族の再興の協力、もう一つは邪魔立てしないことだった。
最初こそ、利害関係からロキと二人で始めた。
神様は有能な子を確保し、子は神が率いる派閥を野望の為に利用した。
その始まりの契約は今も履行中。
でも増えた家族(ファミリア)に愛着を持っているし、守らなきゃいけない場所だとも思っている。
違う派閥の小人族に当たろうかとも思ったが無理強いをする気もない。
僕の独断でファミリアに迷惑をかけたくなかったからね。
まあ…ティオネの介入もあって大分と潰れた気がするけど(遠い目)
嫁探しは続けているものの誰でもいいというわけでもない。
『勇気』を持つ小人族と結ばれることだけを考えていた。
だが、これだという相手に巡り会えなかった。
救いだったのは、階位が上がった【ステイタス】には老化を食い止める作用があることだ。ロキが言うには副次効果らしい。
厳密に言うと『昇華した器』は衰えにくくなり、全盛期の期間が長くなる。
そしてその度合いはLv.が上がるにつれて顕著になるそうだ。
【ランクアップ】はいわば神に近付くということ。
階段を上って近付いた分だけ、たくさんの能力を得る。
そのお陰でまだ焦ってはいないものの、嫁探しの点のみについては未だ足踏み状態だった。
基準は自分が小人族達を鼓舞させるように、自分の心を震わせてくれる伴侶を求めていた。それも自分と同じ小人族を…