第64章 新たな指摘

アスフィ「…もしや……

セレネさんは…」

ケイト「ああ。
どんな人も、誰も見捨てなかった。

どんな悪童も、どんな大人でも、老人でも、関係なしに…全て受け入れ、優しく諭した。

全て…結果が出ていた。


だがそれは…薄氷の上に過ぎない。
出来ない人物もいるのだと、痛いほど知った。

言っててわかったんだが…」

アスフィ「…ええ」

「「手のかかる人ほど気にかかるあれですね；/だね；」」


ケイト「今更気付いた；

助からなければないほど…より一層気持ちは増すんだ。
助けたいって…」

アスフィ「その結果、罵倒へ繋がったとしても？」
ケイト「ああ。

でも…どんなに言われても憎まれてもいいから、地獄落ちは回避して欲しいなあ；
想像できる範囲の500万倍ぐらいひどい目に遭うからなあ、地獄落ち」

アスフィ「…そもそもが、『傷付ける目的』で相手の為にならない悪口ばかり吐き掛ければ地獄落ちになります。
傷付ける手段として、自ら使っているのですから…；」

ケイト「それもそうだね…；

悪口ばかり言っているだの言ってくる人もいるけどさ…
そういう意味じゃない場合、どうすればいいんだろうね……；」

アスフィ「…どうにもなりませんね；

そもそもがあなたの使用している目的も違います。
傷付けるのではなく、学ばせ、理解させ、地獄落ちを回避させたいという想いからなのですから。

それも経緯あってのもの」

ケイト「わかってくれてて…とても助かるし、心強いよ。
ありがとう（微笑）

まあそれは一先ず置いとくとして…話を戻してもいい？
続き」

アスフィ「はい」


ケイト「後は…知っての通り、大戦に引きずり出された。
王命とやらでね。

「あなたは俺の父親じゃない！！」
そうはっきりと言った。私の父親は、セレネだけだとも。

だが島の皆と共に連行され強引に参戦させられた。
私は…皆が生き残ることを念頭に置き、誰の命も奪わず戦い、2人以外生還させた。

その功績を認められ、島ごと王位を与えられた。
それによって…アルルェーチェ英雄譚へと繋がった。

私の前々世の経緯は以上だ…


執着したのも…

殺された遺族からすれば、『背負われもせず、謝罪もなく、苦悩はおろか葛藤すらも無い者』では…復讐心以外、呼び起こさないからだ。
どんなにいい点がある人だろうが関係ないと」