第64章 新たな指摘
ヘレイオス「私は…ぁ(ひっく)
私は、疑っていた!
どこか、心の奥底で!!あなたを…
あなたの優しさを――!!
お金を王から貰ってるからだと!見返りを求めてのものだと!!」←右手で拳を土ごと握り締める
セレネ「ああ…知っていたよ」微笑
ヘレイオス「私は…私は!!
あなたの息子と言えるような人物じゃない!!!」ぶん!←大きく頭を振り、未だ撫でてくる手を振り払う
セレネ「わかっているとも…お前の想いは(なで)←再び震える右手を伸ばし、左頬へ触れ、優しく撫でる
それでも…捨て切れないのだろう?
現にお前は…ここまで、来てくれたのだから^^」
無下にできない。それを明け透けに見られた。
本来ならば傷付くだろう、嫌だろう…
だが……その当時、訪れたのは…むせ返るような心地よさと、嬉しさだった。
ヘレイオス「っ…ぅっ(ぼろぼろ)
お父さん…疑って、ごめんなさい」瞑目と共に頭を下げる&俯く
セレネ「皆を…導いてやって欲しい(微笑)
私は…死ぬ。
そして命はまた生まれ、紡がれる…
こうして命は循環して行く…
私が死することもまた定めだ。
死なない命など、この世にはないのだからね。
だから…精一杯、生きるのだよ…悔いの無いように…残さないように……
私の愛する息子よ…お前ならば…大丈夫だ……
もう…わかっているだろう?」
ヘレイオス「……(ぱくぱく)←何か言い返そうと口を開き、噛み締めるように閉じる
…」頷&ぽとっ←涙が落ちる
セレネ&ヘレイオス「「大丈夫だ^^」」
セレネ「お前なら…きっと……^^」ばた←手を落とす
ヘレイオス「…っ……ぅっっ
ぅあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!」
胸元に顔を押し付け、拳を立て、力の限り泣き叫んだ。
声の枯れるその時まで、涙が涸れるまで咽び泣いた。
三日三晩泣き続けたんじゃないかというぐらい…泣いて、泣いて、泣いて、泣いて…泣き続けた。
そして…生きると決めた。
父となってくれた、セレネの為に生きると…
あの人の意志を、与えてくれた生き様を…今度は、私が受け継ぐと――
死にたいという想いは、二度と蘇らなかった。父が解呪してくれた」