第64章 新たな指摘
ケイト「少しでも…よくなりますように」瞑目
お婆さんの曲がった背と手押し車に触れ、祈ると共に惜しみ無く力を送った。
「あ…もしお金が足りなかったらどうしましょう;」
ケイト「その時は…んー。
よし、決めた。
0でいいです」
『ええ?!;』
ケイト「助けになれることの方がいいので^^」
「いえいえ悪いわよ!;」
何言ってんだこいつ、という目を向けられる中…ケイトは笑って言った。
ケイト「私は…少しでも、いい生活を送って欲しい。
その為になら、助力を惜しみたくはない。出来るだけの余裕はあるのだからね^^」
個人的な善意、それのみだということは…魔術式が証明していた。
無論、一度として鳴ってはいない。
全て本音。
すなわち…足りない部分は、私が負担する。
そう言いたいのだと、周知の事実と化しました。
住民だけでなく、旅人まで…
「あ、じゃあ俺も」
ケイト「お前は余裕あるだろ。
払えるのなら、ちゃんと払ってくれ。
それ相応の効果は確約するし、問題があったら無償でよりよくするからb」ぐっ!&ウィンク
「やった!^^」
ケイト「証明書、書いて渡すね」
親切な所は、困っている人が居ればジッと黙って見ていられないのは…
相変わらずでした。
周囲への迷惑を常に考えたり、いち早く気付く為に周りを見ようと、少しでも聞こうと努力したり…気遣おうと頑張り過ぎた。
少しでも力になりたい。少しでも負担を減らしたい。
その一心のまま、どこまでも突き進んでいってしまう。
それがたとえ――自分を害する行為であったとしても
一瞬の躊躇も、臆することも無く――
そして…その結果だとしても、相手が幸せならば心から喜んでしまう。
見返りも求めず…やり切ったとばかりに満面の笑みを浮かべる。
半分は自分の為だと言うが、とてもそうは見えない。それで出来る範疇ではない。
倒れたとして…限界を超えたとして…それでも、それでも、と…
少しでも…と……
キリの無いデスマーチが、延々と終わりの無いデスレースのように続いて行く。
彼女は…ケイトは――自分を追い込み過ぎてしまった
だから…ストレス超過による直腸炎、その悪化に伴う出血…すなわち下血に至った。
ケイトを大切に想っている側からすれば、とても見ていて心苦しく、歯がゆい所です。