第64章 新たな指摘
フィン「奪わせてなるものか…これ以上奪うというのなら…
たとえ、世界ごと全てを壊してでも!!」
ガレス「重い!重い!!;」
リヴェリア「待て!;
そんなことをしてケイトが喜ぶと思っているのか?!;」
フィン「止めるな…
これ以上増えるぐらいなら!ケイトとの時間が減るぐらいなら!全てを滅した方がマシだ!!」
ガレス「狂っとるな…愛に;」
リヴェリア「我々も人のことは言えた義理ではないが…;
そんなことをすればどうなるか、顛末が見えているのか?」
フィン「…………
はぁ~;
済まない…;」
ガレス「そもそもが神の全知全能とやらで3日後だとわかりそうなものだが?」
リヴェリア「気が抜けてしまっているのではないか?
お前らしくもない」
フィン「ああ…随分とごたついていてね、ケイトの方では。
色々と付き合って、ようやっと折り合いもついた所なんだが…
どうにも心配だ」
ガレス「人の責任を自分も背負う、か…
直接関与しとる訳でもないのに背負う意味がわからん」
リヴェリア「無駄にしたくは無いのだろう」
フィン「ああ…それもある。
だが、本人以上に責任を感じているんだ。世界を破滅に導いた本人よりもね。
別の人がいて、ケイトはその存在に耐え切れず移動した。その瞬間に世界ごと消滅、それもその世界に居た魂ごと全てだ」
リヴェリア「それは…責任を感じるなと言う方が土台無理だろう;」
ガレス「誰であっても責任を感じると思うが?;」
フィン「僕もそう思う。
神々もとんだ荒療治をしでかしたものだ…;
それも、移動しないことや、神々の選択に何とか止めようと奮闘することも、意に介さず強引に飛ばさせた。
その人を殺すしかないようにしておきながら、殺すという唯一無二の打開の選択も時ごと戻して、何も出来ないようにさせた」
リヴェリア「それは…酷過ぎないか?;」
フィン「僕もそう思ったさ」
ガレス「なるほどな…正常ではいられんか」
フィン「僕は…何故か、僕にだけは……最初から、それらが見えるように『させられていた』。
どう伝えるか試されていたようだ。
僕は、気にしなくていいと話を何度も逸らそうとしたんだが…
神々の導きか…直視させようとばかりする。
それらによって、精神が壊れるか、学びを得るか、どちらかしか与えさせない。
そのことも――腹立たしい」