第64章 新たな指摘
アスフィ「入れない人は…助けないのですか?」
ケイト「……」
アスフィ「神々による世界ごとの殺しと何が違うのですか?」
ケイト「………う~ん……」
アスフィ「見えない傷付いた人は、助けないのですか?」
ケイト「………そうなるね。
神の力を得たとして、好き放題助けたりすれば乱れる。
本来学べるはずだったものも、得るはずだったものもずれ、徐々に徐々に大きくなり、膨れ上がってしまう。
神様との約束も果たせず、世界ごと大きくずれて崩壊に結び付くことだってある。
そうなれば…この世界の存在意義は無くなってしまう。
この世界に生まれ落ちる前に交わした神様との約束、あの世での魂の階層と課題毎に応じて学ぶという勉強、その為の今世の修業ということも。
だから…勝手に人の運命を穢す訳にはいかない。
神様から与えられたものだから、神様の意思を、愛を、蔑ろにするわけにもいかない」
アスフィ「…信念を曲げてでも?」
ケイト「……ああ。
だから…死んだ者しか、蘇生した上で住民として入れない。
生きている内に住民として入れるのは限られている。
本来なら外で死んでいた、尚且つさっき言っていた条件に当てはまる者のみだ」
アスフィ「……先程も言いましたが…どう違うのですか?」
ケイト「違わない」
アスフィ「…なら何故…こうまで引きずるのですか?」
ケイト「…………実際に…関与していたから、だろうな。
元々生まれ育った世界だから、余計…思い入れも違うのだと思う」
アスフィ「やっと気付きましたね;」
ケイト「……^^;
気付けてなかった、か…;
なるほど…その世界を、残しておきたかったのか、私は…
あの街の時と、同じように…生きた証…故郷、だから」天仰ぐ←47ページ参照
リュー「……気は晴れましたか?」
ケイト「ああ…やっと溜飲が下がった。
…神様は、世界ごといずれ壊されてしまうから…その思想が、それを呼んでしまうから…仕方なかったんだな。
苦渋の決断の末、下されたこと。
そう割り切るしかないと言っても…気持ちや感情は別、なのが苦しい所だ;」
ティオナ「ケイトが、ケイトである証なんだから…
それごと誇りに思って、愛せるようになって欲しいな。私は…」
ケイト「…そっか……
ありがとう(微笑)
少しは…少しずつでも、できるよう頑張るよ」