第10章 準備と発明
過去の反省点を認識付けることで折り合いを付けるという方法を試みているようだが…
それでもなお傷付けられ続けてきたこと自体は変わらないだろう。
その傷付け続けてきた人達にとっては、ケイトは傷付けてよくて自分達は傷付けたらダメという正義や価値観しか持っていない。本当に…ろくなものじゃない。
だから整理した所で意味などないし、理不尽な人達だと折り合いを付ければそれで済むのだが…
逆に恨みを倍増させないかだけが極めて心配でもある。
ケイト「フィン、どうしたの?溜息ばかりついて」
フィン「あ…いや、昼御飯時に済まない^^;」
ケイト「悩みがあるなら聞くよ?」
フィン「僕の昨晩にした助言は果たして通じているのかな?;)←不安を感じている
まあ…そうだね。
単刀直入に言うと…君の恨みが、これ以上増えないかかな」
ケイト「え?」ぽかーん
まったく…人の気も知らないで。
不思議なことに人類撲滅の危機よりも、彼女の心が壊れる危機の方が僕達の中では遥かに大きかった。
本質を知っているからこそ、余計にそう思ってしまったのだ。
ロキが最後に言った、「いつも通りに接するように」という助言の下
先日のあれらの反応はそうしただけに過ぎない。
本当は気に掛けているのに、そう見せかけるのは大変だった(溜息)
ケイト「え?;(何でまた溜息ついたの?;」
フィン「……ケイト、この世の中には理屈だけじゃ解決できないものだってある。
そうやって自分ばかり責めていれば、いつか必ず壊れる。
だから…人に当たるということを覚えて欲しい。
辛ければ打ち明ければいい。相談すればいい。
迷惑をかけているのはこちらとしても同じなんだ。だから気に病む必要もない。
そう思い悩んでブレーキをかけまくらないといけないほど、僕らは脆弱じゃない。
前の先走りのように言わないままじゃ、僕らはそれを察して支えるなんてことはできない。察するにしても限界がある。
大丈夫だと何度も言い張っているけれど、僕には自分の心にそう言い聞かせながら言い張っているようにしか見えない。
だから……折り合いを付けさせる手助けをさせてくれないか?」
そう目を真っ直ぐ見たまま諭すように問いかけると、返ってきたのは…戸惑いだった。