第63章 新たな来訪
ティオナ「あ、確かに見ないかも…」
ケイト「殺す気が無いから…
速の右で全て払い、力の左で決めることが多い。
基本は右よりやや遅い左でも倒せるのだが
右の方が力加減がうまく、的確に気絶させる箇所を突きやすくやり易い為、本当にどうしようもない時は右に頼る他ない。
パワーを極めた結果、剛の極みによる『衝撃波』。
スピードを極めた結果、柔の極みによる衝撃波の「斬撃」。
一点集中させて確実に突くのに向いているのは右である。
が、衝撃波から力まで全てを左のような拳大でなく、針ほどの小ささに一点集中させれるが故に、威力が強過ぎる上に一点の狂いも無く貫いてしまう為に殺してしまう。
非常に使い辛いので、基本左で何とかしている。
左では衝撃波は右よりはバラける為、威力は弱い。
が、力の強さで補える範囲内である。
力のかかる範囲が拳大のように大きくあれば、体内へ送られる衝撃波もバラけやすい。
小さければ貫通し、奥の奥まで浸透し、たった一発でも致命傷を負わせられる。
浸透性の違いからも、奥から全身にまで伝わる右より、左の方が傷付けず倒せるのである。
言うなれば、左での突きの攻撃は殺したくないという意思主張である。
よって、右は斬撃、左は突きとして使っている。
纏めると…左は「突き」と「押し」、右は「払い」と「斬撃」に向いている。
その適性の違いから、状況に応じて使い分けているってこと。
一瞬で最適な技を選択すると同時に出し、素早く、的確に…」
アスフィ「つまり…どの攻撃に、どの部位の筋肉が向いているか、それを理解しつつ的確に選ぶこと。
まずは自己理解を深める所から、ですね…
駆け引きも、それを深めた上で、知っている人が相手だとしても引っ掛けとして即座に対応できるように、と…」
リュー「奥が深いですね…」
ティオナ「凄いよね…そんなこと、いっぺんに考えてたなんて」
ケイト「違う違う;ただの積み重ねだから^^;」
ティオナ「よーし!負けずに頑張るぞー!!」
「「「おおー!!!」」」拳振り上げる
ケイト(やばい…
うかうかしてると追い抜かれるかも;)苦笑
テロップ『笑みが引き攣っている!!』
教えた矢先に凄まじい勢いで格闘技術及びセンスが成長していく3人に、私は戦慄するばかりだった。
無論、3人以外の全員にも同じことを教え込んだ。