第63章 新たな来訪
人間など、所詮濁りものだ。清いものなどそうはいない。
たとえ入れるとしても赤子ぐらいだろう。
我も欲も強過ぎる。あわよくば、という輩が非常に多い。
私がコクーンに張った結界は、精霊の森一帯に張られた結界と同じ、未来予知もした上での選別だ。
ほんの1つでも可能性があれば排除され、入ることすら許されない。
遠い先の子孫まで、その全てを見通した上で通すか通さないかが判別される。
精霊王の半身とは…呪いであり、楔(くさび)だ。←2175~2180,2183ページ参照
精霊王は…下位精霊でも上位精霊でなく、最上位精霊…神級(しんきゅう)。
たとえ死んだとしても、一時的な仮死状態となる。自動的に治るのもそれでだ。【精霊寵愛】だけではない。
後継ぎを残すまでは決して死ねない呪いにかかる。
精霊王が殺されたあの時、私も殺されていれば…間違いなく、どちらも死んで生き返れなかった。
あ、ノアールとブランシェと一体化していたから死ぬとも限らないか;
何にせよ…神に至るまで死ぬはずだった局面が多い。
それと…革命についても色々と話s
ティオナ「勿論!」
リュー「聞かせて下さい!」
アスフィ「ここまできて引き下がれるものですか!」
ケイト「…ありがとう^^
じゃあ…話すね。
時代は…私の爺ちゃんの爺ちゃんが国王だった頃へ遡る。←552~554,1273ページ参照
長女が産まれると同時に十字架が光り、長女の下へ飛んでいき、産まれて間もないその首へかかった。
が、その5年後に長男が産まれたと同時に一瞬光った。首元へ飛んでは行かなかったが。
一瞬とは言え光は光、という名目のもと…十字架は薄汚い大人達の手によって奪われ、長男の首へ掛けられた。
実際、2人共霊感を有していた」
ティオナ「え?光るだけじゃないの?」
ケイト「出産の時、女が王であれば子に近いだろう。
が、王が男であれば、女の時とは違い、光るだけではなく、遠く離れてれば飛んでくんだ。
流れ星のように…」
アスフィ&ティオナ『なるほど…』
ケイト「どちらにせよ…首には自動的に、十字架が自分で飛んでいって掛けにくる。
十字架には意思があるから…精霊王の骨であり、生きているから……
だが…長女の首へ留まろうとした十字架の意思は無視され、長男が本家に、長女が分家へと行かされた。