第63章 新たな来訪
空中移動の為の魔力で作った板は円状に。
衝撃をバランスよく全体へ受け流すし、一部分のみにかかって壊れるなんてことはない。
足で蹴られた一瞬、蹴られた方向と反対に足を吹き飛ばすようにすればより跳躍力が跳ね上がるし、円状だと偏りも無く足裏に均等に力が加わるから負担も衝撃も極めて減らせる。
全身の魔力集中による強化を最小限に。
しようとしている動きに必要な箇所のみにし、敵の攻撃が当たるだろう箇所のみに一瞬だけ強化する。
それが自然とできるだけで、魔力の節約にもなるし、必要な時により多く使用できるようになる。
その上、最小限の動きで最大の威力を出せるようになる。
当たった瞬間に魔力の壁の放出先を敵に、当たった状態ならば当たった部位のみにしつつ、一点特化の攻撃とすること」
「「「おおー!/そんなことが…!」」」
ケイト「くれぐれも…尊大で横柄にはならないように」
「「「はい!!」」」
色々と教え過ぎた気がするが…
最後に教えておかなければいけない諸事情を明かすことにした。
ケイト「……精霊王のじっちゃんについて、教えたいことがある。
いいかな?」
アスフィ「ええ、勿論です」
ティオナ「何があったの?」
リュー「あの人嫌いさは異常…気にかかっていましたが」
ケイト「精霊王は心を見通す。あわよくばの目論見も、微細な心の変化も、感情も、全てだ…
それにより、過信により…精霊王は実の一人娘を殺された。
精霊同士でも子は作れる。
が、それは今世にて一度きり…つまり、一人だけだ」
『!!』
ケイト「人間のことを怨みこそすれ、受け入れるはずもない。
だから結界を張った。
醜くない人間と判断した結果、それを(内心で誰にも察せないように)嘲笑い、信頼して近寄る娘を顎にかけ(犯し)、殺した。
平然と笑い、精霊王が娘の亡骸を抱くのにも気付かず、資源を奪い、のうのうと帰ろうとしていた。
当然の報いだろう。
その男は魂ごと消され、殺された。善人の皮を被った、悪魔として…
だから人間を憎んだ。拒み、結界を張り、二度と入れないようにした。
これが人嫌いになった理由だ…←1242,1476,2179ページ参照
ヒューマン、獣人、エルフ、ドワーフ、小人族、アマゾネス…
全てを、決して…信頼するまいとしていた。
魂の穢れで全て判断するようになった。