第63章 新たな来訪
ケイト「足と足の幅を常に肩幅と同じにする。
それだけでかなり違う。
まず重心を足裏へ下ろした際、左右への入れ換えが円滑にできる。
肩幅以上だと入れ換えるまでの速度が下がり、初速も落ち全体の速度ごと落ちる」
ティオナ「重心を足へ下ろすには?」
ケイト「腰を落として、感覚で覚えること。
重心を落とすということは、そこへ重きを置くということ。
そこへ意識が集中すると同時に、自ずと全身の力もそこへ集中できる。
全身の力の支配へ繋がる。
重心の一点集中自体、支点ごと力点作用点の力を凝縮してぶん殴るようなものだからな。
蹴る力も強まる、だから速度も自ずと上がる。
重心の移動を一瞬にできれば、より速く、極めれば一瞬で背後にだって回れる。
まずは足さばきで、重心を思ったタイミングで素早く制御してもらう。
集中の箇所、意識、全て無意識にやれねば死ぬ。読まれても死ぬ。
読まれず悟られず機微にも出さず、自然にできなければ死ぬと思うべし。
次は体さばきで完璧にできるまでする。
全身で、思ったタイミングで、かつ、一瞬でできるように。
それらが完了すれば、動き出しから全ての動きが円滑になり、いくらでも先回りできるようになる。
無駄な動きがなくなり、思った通りの動きのみとなるからだ。
全身の力を効率よく一点に集中させるだけでもかなり違う。
無駄な動きが減る分、疲れにくくなる。消耗も減る。
地面と足の距離は離し過ぎないようにしろ。
すぐ重心を足にでき、何が来ても踏ん張れる土台とできる。
こけそうになった時すぐ対応できる。
すぐ走りに戻れる、攻撃や防御にだって回れる。
水の上を渡るように走れ。
水の上に浮かんだ葉を落とさないように。
その力加減を覚えれば、完璧に足の無駄な消耗は無となる。
膝より前に足先を出すな。それだけで消耗は3倍違う。
前へ、足先が全身を持ってくるのに必要な労力の差だ。
御し切れ!
全身の隅から隅まで、僅かな機微から無駄を省け!!
戦国時代で重視されたのは「実用性」のみ!
無駄は全て省いてある!
文句があるなら極めてから言え!!
身に付けたその時には、既にその意味は理解できているはずだ!
頭で覚えようとするんじゃない!その体に刻み込め!!」
「「「はい!!」」
ケイト「癖になるまでだ!!!」
「「「はい!!!」」