第63章 新たな来訪

ケイト「重心を下ろせれば、その分蹴る力も増す。
重心移動を完全に制御すれば、動きもその分滑らかになるし、「自由自在に動けるようになること」、ひいては「身体コントロール」へと転ずる。

それにより、攻撃が見えたのがたとえ遅くとも、誰よりも速く、「すぐ」思ったように動ける。
足がすくんでいては動きが鈍るし、体も動かねばその時点で終わりだからな」

ティオナ「ふむふむ」


ケイト「で、体の機微で読まれる可能性もあるから気を付けるように。

全部をフェイントとして利用しつつ、素早くカウンターをかますって手もある。
相手より早く動けるってだけで、かなり優位だからな」

ティオナ「わかった、頑張る！」


ケイト「重心及び身体コントロールは、次の動きへ転じる、その切り替えの速度も上がる。
つまり「後の先」を取りやすくなる。

体さばきと足さばきを極めるだけで、ほぼほぼお前の動きについていける人はいなくなる。
攻撃でも、防御でも、流しでも…


もう一度言っておくが、私が教えるのは…（すっ）←抜剣



戦場を生き延びる為の剣だ。←剣先を向ける

ゆめゆめ忘れるな。
人を生かす為、自らも生かす為に生み出されたのだということを。

そして誓え、決して妄りに傷付けることに使わないと」

「「「はい！！」」」大きく頷く


そして…剣聖が生まれた。

風月流を教わったアイズは既に、そう呼ばれていた。



ケイト「最低限（ふっ）←姿消える

これはしてもらう」
「「「！！！」」」

音も立てず背後に回ってみせた。


ケイト「足さばきを極めれば普通にできる。
重心は常に下、これを意識せずに身に付ければ自然とできる

自ずとな…


はい、重心を下に。足の腹に！

ほら腰落とす！
足が外に出てる！

人間の構造は内に力が入りやすくなってるんだ。
外に向けるな！分散のもとだ！！」

最初は重心を常に下にすることから始めた。

そうすることで土台となり、ちょっとやそっとじゃ揺るがなくなる。
と同時に、常に意識を下に向けていることから、思った瞬間に『すぐ』地面を蹴って移動できる。


つまり、攻撃が来ればすぐ合わせて動ける。
伏せるなり急所に当たらないよう動いたり、何なりできる。

後の先も取れるのがみそだ。



足さばきから体さばきまで叩き込む中、コツと利点について説明した。