第63章 新たな来訪
誰にも教えられなかった。
風月流を後世へ遺せなかった。
残した嫁と娘2人が気がかりだった…
それが心残りだった…
その為、風月流について学んでいないことを…アスフィとリューへ叩き込むことになった。
スピード>パワー≧スタミナ
武家の生まれの武士とて…
戦場において、首をとらねば上の身分にはなれぬ。
報酬をもらえるのは平時以外、つまりは『戦の時』しかもらえない。
それでは食ってはいけない。だから畑を耕し自給自足する他なかった。
たとえ農民と嘲笑われようと、農民と同じ作業をせねば生きてはいけなかった。
一度、上の武士から呼び出しがあったが…それは死ぬか、報酬を貰えるかの2択だった。
戦場で、危ない味方、敵に囲まれている場へ一直線に突っ込んで助けて回るといった業務をしていた。
それによって足軽組頭の方が助けられたらしく、いたく感銘を受けたとのことだ。
今回は報酬で済んだが、次は…天国か、地獄か;
そう危ぶんでいると、そう肩の力を入れんでいいと言われ、笑われた。
歓迎の意を込めてのものだったらしい。
あ、話が逸れた;
ケイト「まず、足さばきの基礎!
基本、常に肩幅。
それ以上は足へ重心をすぐ下ろせないし、すぐ地面へ力を伝えられない。
ほら、やって確認してみて」
ティオナ「凄い!ホントだ!」
ケイト「アキレス腱伸ばしてる時とか、足を開く準備体操の時は特に要注意。
足ですぐ動けないから、もし攻撃されたら体さばきを利用するように」
ティオナ「準備体操って…死ぬ準備の為の体操?;」
ケイト「そうさせない為に努力しようか…;
もしそうなっても…後ろへ引きつつ、両手を使ってバック転もしくはバク宙。
ワンハンドスプリングも大事だね」
ティオナ「忍者の修業…?;」
ケイト「まずは身のこなしからだ。
動くにしても音をさせないように、予測されたら終わりだ。
剣をそこ(動く軌道上)に置かれたら、それだけで斬れちゃうからな」
ティオナ「その為の体さばきと足さばきなんだね」
ケイト「授業では教えてくれないからな。
音をさせれば、そこに自分がいますって自ら知らせてるようなものだ。
だから鳴らすにしてもワザと、できない振りをやったりフェイントをかましたりするのに有用なんだ。
必要不可欠と言ってもいい」
ティオナ「なるほどお」