第63章 新たな来訪
毒の解除もとい毒抜きに関しては、コクーンの治療場が全面的に協力する。
それにより…元の平穏を取り戻し一件落着、無事解決した。
事態を未然に防ぎ、尚且つ協力したことに関して礼を言われた。
だが同盟国として当然のことと一笑に附した。
実際に行動に示したのは『貴族の子』であり、その子こそ真に評価すべき対象である。この子が行動に移さねば事態は解決に結びつかなかっただろう、と国王へ言い伏せた。
私はただ…留学生を受け入れただけ。
そう、あくまで突っ撥ねておいた。
国王「…本当に…なんとゆっていいか…(わなわな)
(なんて奥ゆかしい!)
恩に着る!(ずさっ!)←片膝立て跪き頭下げ
この大恩!生涯忘れぬと誓おう!!
我が国は、貴殿に忠誠を誓う!!!」
ケイト「いや、友人として、良き隣人としてお願いします^^;」
丁重にお断りした。
人の闇は深い…改めて、心に刻み込まれた。
あのままでは…国王以外のトップが全て操り人形となり、言われるがまま国王や王族を皆殺しにできていただろう。
数の暴力で…完膚なきまでに……
真に怖いのは…やはり、生きた人間なのだと……そう、強く思った。
だが…救えるのもまた、人しかいないのだ。
愛を与えてくれるのも、教えてくれるのもまた……
人生も…人も…奥が深い……
全ては一緒くたではない為、苦労するばかりのように感じた。
だが…その苦労すら愛しいと思う時がある。
理由は……その果てに、出会えた存在が大きいのだろう…
何があったとしても守ってみせる…
そう、誓いを新たにした。
反面…事態の解決に一日もかからなかったことに畏怖していた。
留学が決定し、彼が寮へ訪れてきたのはその日の内の夕方である。
コクーンへの移動中に手紙を書き、着いてからすぐ私へ要請し国王へ直通で送り、すぐ事態は解決したそうだ。
そして国王からの連絡と共に緊急会見、即座にああ言われたのだ…
フィン並みに頭の回転が速く鋭く、賢いと…後に判明した。
僅かな時間と手間で悪の息の根を止めたのだから流石である…;
後に、宰相の弟子として働くことになるのは…今からまだまだ先の話だ。
非常に有能な存在となりそうだ。味方の内は…(ぶるっ)
内心震えたが、当の子からは生涯…死ぬまで恩人として慕われ続けた。
恐れてごめんなさい;