第10章 準備と発明
ロキ「神として公平に見とるけどな。
どう見ても、やり過ぎや。
ひどい暴言妄言吐きかけては笑ってな。
毎日人に傷作って塩塗り込み続けて、我関せずで楽しい日常とやらを堪能して笑っとる。
されとったケイトは、さぞかし惨めで苦しかったやろうなあ…
一人きりで傷付けられ続けて、周囲には必ず支えてくれるもんがおる。
聞いてくれる人がおる。信じる人がおる。愛してくれる人がおる。
自分だけ何もおらん。周囲は違う。何も助けてくれん。
十年近く続けばそりゃ立派に憎しみが芽生えるわ。
今やっとるんは…必死に心を繋げ合わせる作業や。
仕返しもできん奴が悪い奴?あほか!
ろくに目の前のもんと向き合おうともせずに、悪と決め付けてかかる奴こそが!ほんまもんの悪やろ。
傷口作って穴を広げて都合のいい形にして
はい、都合のいいサンドバッグの出来上がり~♪
こんなこと人にしといて悪い奴やなんてよう語れるな。
うちとしてはあんな奴等は話にもならん。
魂の位が低すぎる、階層も低すぎる…
まあ、そやからフレイヤも惚れたんやろうなあ(ぼそ)←内心で呟く
高い場合はどうしても、相手の気持ちを一番に考えてまうもんなあ。
徳が高いと言うか高尚と言うか…それを持てるかこそが一番大事なんけどなあ……
ケイトの場合無意識のうちからやっとるし………
よくもまあそれもできん奴ができる奴を貶められるなあ…
階層の低さもここまで来ると虫酸が走るわ(おえっ)
っといかんいかん。ケイトの心の話やったな。
記憶喪失に一度陥ったことで本来の形を取り戻した。
結果として、ケイトは全部思い出した上で助けに行った。
後ろから刺されようがお構いなしに。
まあ…なんや。うちが一番言いたいことはただ一つ!
街の人達、皆殺しにしてもええか?」
『!!?』ぎょっ!
ロキ「流石に目に余るわ。醜すぎる。
たった100人やろ。ほんまは全滅でしたなんていったらあかんか?」
フィン「ダメだよ。既に公表されてる情報なんだから」
そう歯止めをかけたのが、つい先日。
あの街の人との再会後の夜、悪夢を見て暴れた時の話だ。