第10章 準備と発明
それだけの単純な問題じゃないだろうに…
一つ一つ問題点を挙げて反省している、悔いている彼女を前に僕は助言する外なかった。
過去の情報を整理して、憎しみや怒り等の感情を無理やり飲み込んでいるようだ。
ロキが言うには、彼女の心の奥深くには憎しみが深く大きく根付いているという。
ロキ「一人きり、相談できる人もおらん、聞いてくれる人もおらん、逃げ込める場所もない、受け入れてくれる場所もない、周りは全て否定し続けてくる人しかおらん。
さて問題や。ここでお前らやったらどないする?」
ベート「ああ?んな口だけの雑魚はぶちのめして終いだろうが!」
ロキ「そやなあ。リヴェリアやったらどないする?」
リヴェリア「土地よりも人が大いに合わん。
他所へ越す。一人でだ」
ロキ「そうやな。普通は逃げるわな?
でもケイトの立場で言うたら、逃げた所でどないなる?
隣に街はない。村もない。逃げ込める場所なんてない。
秘密基地なんぞ作ろうにも場所がない。
何も打つ手もない。助けてくれる人もおらん。決め付けてくるだけ。
発言も何も出来んようにされて、少しでも抵抗したり反論すれば「ほら悪人や」と言い出す。
そんな時……普通の人はな、自殺するんや。
そんな環境に耐えきれずにな。
そんな環境におり続けたら心が壊れるわ。ぱりーんっ!!ってな。
環境に合わせた形になるよう人為的に変えられる。
早い話が、そんな身勝手な周囲に合うように変えさせられた被害者や。
純粋やから余計鵜呑みにしてもうたんやろ。
悪い奴やとそいつらは語っとるけどな。ほんまに悪い奴やったら仕返しして笑っとるわ。
そういうのをしても呵責感じん奴がって考えようともせん。
当時ろくに環境も知らん奴等は余計に殺した。殺し続けてヘラヘラ笑っとった。苦しむ様見て笑っとった。見てても知らんぷりして笑っとった。
ほんまに悪いんは周囲といじめっ子の方やろ。で、都合が悪くなったらごめんではい終了やろ?
謝らん奴が悪い。気に入らんから悪い。虫が好かん。
そう理屈付けとるけど、毎日やっといて謝らん。一度だけで済まそうとする。
そういう奴の方が悪やし、はっきり言って釣り合わんやろ」