第63章 新たな来訪
私は…私の中に眠る憎しみは、世界全てを滅ぼした所で…決して収まることは無い。
そればかりか増すだろう。
自分も、人間も、世界も、何もかもを憎み、殺し、殺した所業に怒り、また殺し、近くにある全てを手当たり次第に殺す、狂った存在になる。
それだけは避けたいし…何より……あんな痛みを、哀しみを与えたくはない。
あんなのは…もうごめんだ。
味わうのも、他の人のそれを見るのも…
殺しや傷付ける行為は…対立、わだかまり、確執しか生まない。
いくら正義を語り、たとえ力で裁いた所で…得るものは…様々な画策や謀略による殺害と傷害だけだ。
毒殺しようとする人も出る。罠にはめようとする連中なんてざらだ…
本当に優しい人なんて…今まで会ってきた中で、1割にも満たない。
いや…1分にも満たなかった。
あ、ここを創ってからは無数にあったっけ…
間違えることは誰にでもある。
気付かない内に、いくらでも…だから信頼の置ける人が必要になる。
気付かせてくれる者、違う方向へ進んだ際に教えてくれる人が。
で…お互いに助け合える存在となりたい。
正義は人によって異なる。
親切のつもりでも、本人が求めるものでなければ迷惑行為に他ならない。
一人だけの正義では、歪む。
力でいくら示した所で、止めた所で、それは力による強制にしか映らない、支配者だ。独裁者だ。
愛だけでもまた歪むだろう。
特定の人物だけ贔屓して他を蔑ろにしていては、確執を生む。
でも…実際の所、どうすれば最善なのかがわからない。
ケイト「逮捕するのも傷付けかなあ…;
でも取り締まらないともっと増えるし、そうなったらより治安が…
安心して幸せになれる空間を造り出せないし…う~ん;」腕組&考え込む
バシャッ!!
アル&ディ『きゃっきゃっ^^♪』
ケイト「お返しだ~^^♪」
アル&ディ『きゃ~うっ!^^//♪」興奮&ワクワクキラキラ
水をかけ合い、はしゃぎ合う…
そして三人へ相談すると、もっと沢山の人に頼ればいいと言われた。
国外では自分にいいように持って行こうとする人がいるかもしれないが、そんな人は結界に拒まれ入れない。
だから、安心して皆へ相談して…
皆が幸せになれるよう、それだけに専念すればいいと諭された。
本心でない言葉を言えば警音が鳴る魔術式を思い出した。