第10章 準備と発明
魔法円を展開させた状態での詠唱付きホワイト・ノヴァでも勝てず、体内に凝縮して全力を超える全力をも引き出し続けてもなお引き分けにしか持ち込めず、Lv.5の時は倒せなかった。
全身が引きちぎれそうな痛みに囚われている中、必死に外殻を破るほど集中させた結果がドラゴン・ソウルで、瞬く間に全身の痛みが消えて全快状態となった。
魔力の消耗が激し過ぎる代わりに威力が今までの次元を遥かに超えるほど増し、回復もまたそれに伴って起こる爆風や迷宮の壁ごと魔力と化して吸収し続けることで『激し過ぎる消耗』をも上回るほど。
魔力と共に全身が脈打ち、周囲に存在する魔力、精神力の取り込み度合いも跳ね上がるだけでなく、全ての傷や影響を無効化させる。
だが、一つだけ問題があった。
全てを一太刀に込めた一撃の後には自動で解け、魔法を一切使えなくなり、回復に5分ほど時間を要すること。
大気中の魔力を使うことなど考えもしなかった。
否、思い付くほど頭が回ってはくれなかった。
全身全霊の一撃とは、その名の通り捨て身の攻撃にも相当する。
代わりに勝てた。
後はこれを完璧に御し切った上で、常に回復が続くようにすれば…
そう考えて、常に『体内』にて《ドラゴン・ソウル》を発動することにしてみた。
元来ホワイト・ノヴァは速攻魔法だが
クリエイトで詠唱を加えてみた所、威力が格段に上がった。
よって、詠唱を付け加えることにしている。
つまりを言うと、ドラゴン・ソウルにおける詠唱もまた0から考えないといけない。
えーと…ホワイト・ノヴァの場合、最も力を引き出せる詠唱が
【我が魔力よ、大気中に散在する魔力よ。我が力の糧となりて存在を示せ。全てを飲み込め、凌駕せよ。限界を超え、解き放て――ホワイト・ノヴァ】だったから…(ぶつぶつ)
それに合った詠唱はおいおい考えていくことにした。
昼御飯を食べながらドラゴン・ソウルを体内のみで続けていると『外見上の変化』について指摘された。
周囲の人曰く、瞳が焦げ茶色から金色に変わるだけでなく輝いており、瞳孔の形が丸からトカゲや猫のように縦長になっていたそうだ。
その食事時にヘスティア様が来たらしく、貸してた5万ヴァリスを門番経由で返してもらった。