第2章 冒険者・1日目
アイズ「愚突猛進…これって、他の人でも出来る?」
ロキ「あー。無理や無理。
記憶喪失を起こすほどのそれやで?やらん方が身の為や」
アイズ「……」俯
リヴェリア「アイズ…強さを求めるのはいい。
だが、それで今あるものを失っていいというわけでもない。
…わかるな?」
アイズ「……うん」こくっ
ケイト「あのー;さっきから置いてけぼりなんだけど;」
ロキ「ああ。すまんすまん!
で…これがケイトのステイタスや」
ケイト「……これって、凄いの?」
ロキ「十分凄い。
あと魔操作やけどな、無意識の内に体内の魔力を操作して力やスピードっていう身体能力を跳ね上げてたんやと思うわ。
もともとそういう技能を極めていたことと、フール・ハーディが重ねてあったからこそ発現した可能性が極めて高い」
『おー』
リヴェリア「なるほど。双方の要因が重なったからこそか」納得
ロキ「それと…さっき痛いって痛みを発していることを告げたな?涙を流すほど」
ケイト「え?うん」こっくり
ロキ「そうか…
その事象が示すのは神血に対しての拒絶反応や」
ケイト「神血?」
ロキ「神の血や。
ファルナを刻むのに必要なもんで、ステイタスの更新でも使う」
ケイト「うげっ…;
あの痛みが、また今後も?;」
ロキ「我慢しい。
話戻すで?
で、神の血に対して痛みを発する。
これが指し示すんはケイトが神か、神の因子を受け継いでいるかのどちらかなんやろう」
ケイト「…え?…ええええええええええ!!!??;」
リヴェリア「落ち着け、ケイト。
…なるほどな。確かにそうでなくてはあれほど…」
アイズ「…でも、ヒューマンでしょ?」
ロキ「ああ。
紛れもなく身体は人間や。神の力も持ってへん。
せやけど、それだけや。
それ以外の事象に関しては制限かけとらん;」
リヴェリア「要するに…ケイトは、神と人の間にできた子か?」
ロキ「ああ。可能性があるとするなら考えられるんはそれだけや…
これだけじゃ判断材料が足らんなあ;
ちょっと情報集めてくるわ」
そう言ってロキは一人、扉へと歩み寄っていった。