第62章 新たな邂逅
彼「っ……」
その頃…彼は、それまで迷惑をかけてきた人達に、一軒一軒土下座で謝罪して回っていた。
それも、その日の内に町内全てを回る覚悟で…
だが、返ってくる言葉は、どれもが重く、風当たりの強いものだった。←2551ページ参照
「今までやるだけやってといて!どの面下げて謝りにきてんだ!?」
「今更過ぎるよ!帰れ!」
「今更何のつもりだ?」
「どういう風の吹き回しだ?」怪訝
「お前達…コクーンに入りたいからやり始めただけだろ!?
魂胆が見え見えなんだよ!出てけ!!二度と来んな!!!
(ばあん!!)←扉を勢いよく閉める
塩撒いとけ!塩!!」
テロップ『通常の反応である…;』
彼「っく…;
ごめんなさい…ごめんなさい!」土下座
「謝って許されるなら警察も金なんかも要らないんだよ!」
一番優しい人(黒髪の女性)でも…あれだった。
彼「ごめんなさい!」土下座
「……(カチッ)←レコーダーの録音スイッチを押す
ここ一番の名家さんにでも聞いてみたら?
あんたらが壊した公共のもの、何千万かもわからないから。
私が知る限りでも…自費で直している人達、洗濯物の被害、それに伴う洗濯機の故障……
総合で、最低でも4000万はするわよ?
それ…どうやって返すつもりなの?」
彼「!!(瞠目)
どう…しよう……俺…一人じゃ」真っ青
「逃げる?」
彼「!!
……(俯いて考え込む)
(ふるふる)←頭を振る
ダメだ、それだけは…絶対ダメだ!」
「じゃあ…どう返すの?
そんなに…コクーンに、入りたい?」
彼「……違います!
いえ…確かにそれは、最初はあったけれど…
どれだけ、自分達がやってきたことが厚かましかったのか、迷惑だったのか…
やっと…気付けたから……
人として…真っ当な人に、なりたいんです!!」
「……それは…自分の為?」
彼「……はい!!」真剣←真っ直ぐ双眸を見つめ返す
「…そう…決意は固いようね。
なら体で払いなさい、相手が納得するまで。
けじめをつけたいというのなら…その旨を、意志を、きっちり示しなさい」
彼「…はい!」気を付け
「もう…間違えないようにね」
彼「頑張ります!
教えてくれて、ありがとうございました!」お辞儀
そうして…全ての家を土下座で回り切るまで丸一日かかった。