第10章 準備と発明
フィン「彼女の誤算はただ一つ。例の過去を知る水晶の件だ。
一応把握しているからこそ、ちゃんと見抜けた。
全ては把握し切ってないとでも思っていたのかな?
必死に語っていたけれど、「助けになりたい」、「力になりたい」という意図は感じなかった。
それだったら最後の「忠告はしましたからね」なんて悪態は出てこない。
例の言ってきた彼女は、君と話したことがないようだった。
その証拠に口調もはっきりとは分かっておらず曖昧でちぐはぐ、本を読んでその知識だけで固めたものだとすぐわかったよ。
すぐ顔に出ることも、全く知ってさえいなかった。
嘘だと言われた時、むっとした顔になる。
冗談を言う時は若干にやにやする。
嘘を付く時は申し訳なさそうに顔を逸らしてから言う。もしくはとぼけた顔で。
ただでさえ全部顔に出るような性格で解りやすいのに、そういうことができるわけないって言ってやったよ」片目瞑り溜息
ケイト「む~//」ふいっ
フィン「くす)頬を膨らましてるってことは若干不機嫌だね?^^」くすくす
ケイト「嬉しいような嬉しくないような複雑な気分」むすぅ~
フィン「気を悪くさせたのなら済まない。
良くも悪くも正直者で、そんな不誠実なことはできる人じゃない。
そう言いたかっただけだ。
人の中には妄言を語って仲を壊そうとしてくる輩もいる。くれぐれも注意してくれ。
まあ人のいい君のことだ。鵜呑みにして差別するとは思えないけどね。
それはともかくとして、例の分身馬車は使うことにしたよ。緊急馬車としてね。
前に言ってた爆太郎とドンを連れて行く計画を使うつもりだ。
早速で悪いけど、ロキ・ファミリアのエンブレムを入れることはできるかな?」
ケイト「了解!」
フィン「分身の戦闘力は?」
ケイト「同じにしてあるから大丈夫だよ。成長力もね」キラン
フィン「そうか。双子のようなものだと思えばいいかな」
そんなこんなで、遠征に連れて行くことになった件を伝えると
爆太郎は嘶いて馬車を付けたまま鍛練場の外周を走り続け、ドンは炎を吹きまくっていた。
それらの光景を窓から見たリヴェリアがカンカンになりながら降りて来たけど、しーらない!
しーらない!!;(すたこらさー!!)←後で捕まって説教を受けました