第62章 新たな邂逅
フィン「優し過ぎるよ…
それもいい加減にしておかないと、必ず潰れる。
自分に自信をもって、自分にしか出来ないことをするしかないんだ。
それで無理な相手なら…諦めろ」
ケイト「……」
フィン「いいかい?
未来があるかもしれない。希望もあるかもしれない。
だがそれは所詮淡いものでしかない。
だから…相手にしないことを選ぶべきだ。
彼に救われた人からすれば、きっと邪魔でしかない。
地獄落ちから救おうとしたとして、話を聞かないし、考えないのはそれでだろう。
洗脳とも、砦とも言える。それでも救われた本人達からすれば守りたいし、彼も本人達も彼の非も認めたくないのだから仕方ない。
虚しいだけだ…いくらした所で、報われないだけなのだからね」
ケイト「………わかった…
私の考えは、ちゃんと伝えた。
『責めたい訳じゃない、悪く誹りたい訳でも貶したい訳でもない…ただ、苦しむ姿が見たくないから』って旨も……
程々に、できる範囲で頑張った後…
反応をきちんと見定めて、それでも無理なら…それなりの対応をするよ。
無理なら諦める。
でも…彼本人が投げ出さない限りは、これから変わろうとしているのなら…力になるから。
それで…いい?」
フィン「ああ…
それでいいよ。
君の判断に任せる。
唯一の救われる世界になるのが透けて見える分、とても腹立たしいが」
ケイト「…ごめんね…長々と付き合わせちゃって;」
フィン「いいや…それで、気は済んだか?」
ケイト「……うん…
何か…ごめん。気が済むまで…
フィンが、嫌っている相手なのにさ…」
フィン「一番彼のことを嫌っているのは君だろう?」
ケイト「!」瞠目
フィン「どんなに嫌いでも、救いの道を探ろうと必死に模索できる君は…誇らしいよ。
そんなに気に病むことでもない。
ただ…また、同じ過ちをすれば…僕は彼を殺す。
君を殺すのなら…彼は敵だ」真剣
ケイト「………ありがとう…頑張るよ。
報われなくとも気落ちしないように、できる範囲だけに留めて、無理しないように…
別個の人間なんだから…理解できないことも、努力できないこともあるよね……」
フィン「本当にその通りだよ。
君の言う努力が、彼はできないだけ。
この世界では嫌という程わかったから別かもしれないが…あくまで可能性に過ぎない」