第62章 新たな邂逅
あいつは…彼は、殺した後、笑って、これまでと変わらないまま生きている。
まるで…殺された人が、虫みたいに扱われている。
殺したことを責める気はない。
その後の行為の方が重要なんだ。
遺族からすればさ…急にいなくなられて、虫のように扱われたら…寂しいよ。
身内が急に、間違ったから殺しました。で、急に終わらせられたら…怒るよ。
ちゃんと…殺しの意味を考えて、背負って欲しい。
人生を奪ったこと、苦悩も、経緯も、気持ちも…できるのなら…でないと、遺族も、殺された人も、報われないよ。
(冷たい何かが胸の奥で固まっている)
あんなやり方では…――遺族が全員、敵に回る
遺族が…いない人達ばかりだからさ、彼が今まで殺してきたの。
だから今は彼へ殺しに殺到されたりしない状態だけど…
それをまた繰り返せば…あいつは、苦しむことになる」
フィン「自業自得だろう?」
ケイト「彼にでも出来る円満な方法ってないのかな?
フィン「ない。
それで心変わりが起こるなら、とっくに天国行きが半分になっている。
いいかい?
人を変えようなんていうのは、やめておいた方がいい」
ケイト「それでも…あいつが苦しむのを見るの、やなんだ」
フィン「それでも無理だ」
ケイト「……私は…死んだ方が、いいのかな?
誰かの幸せの妨げになるぐらいなら…そちらの方が
フィン「僕は幸せではないとでも言うつもりか!!?」
ケイト「!!(瞠目)
ごめん…そうだね…^^;」
フィン「たった一人の幸せの為に誰かが死ななければいけないのなら、全人類は死滅する!」
ケイト「うん…ごめんね……」俯
フィン「…一度、肩の力を抜いた方がいい(ぽんっ)←ケイトの左肩に右手を置く
人の責任まで背負い込んでいては…破滅しか待たない。
いい加減、見切りを付けるべきだと思うよ。
人は人…君は君だ。
君の在り方も、望みも、邪魔にしか感じない人は多々いる。
そのことを自覚して、それでも歩くしかないんだ。
人にも、君にも、救われている人もいる。それを忘れるな」
会見を見た後…
物腰が柔らかく、温かで優しい人。
全てを円満に、幸せになる為を常に考えている人。
秩序、規律を重んじる人。
めんこい顔、実直、一貫している
一糸乱れぬ、無駄が無い、タイト
それらがケイトへ向けられていた。