第62章 新たな邂逅
涙をぼろぼろと零すツナに、銀髪の人は瞠目し押し黙った。
銀髪「済みません…
俺も…見えていませんでした」
黒髪「ごめんな…
俺も、もっと早く気付けてたら」
ツナ「ううん…俺の方がっ;」
そう言い合う中、会話は進んでいく。
ケイト「選民、試し、そう呼ばれていることは知っている。
勝手に見えるかもしれない。差別だと罵られるのも承知の上だ。
それでも…私は、この国を訪れる人も、国民も、守りたい。
不安など抱かず、安心して過ごして欲しい。
国に張られた結界は、その為の策なのだということを…どうか、ご理解願いたい。
(呪いたかった。でも結局は呪えなかった。
その幸せは、自分の勝手で奪っていいものではないから。
泣いても、怒っても、何も好転などしなかったから……
恨むのも、憎むのもやめた。
怒りはする時も今後はあるかもしれないけれどね^^;
何をされても、何も感じない人などいないのだから」
国王「はい!」
ケイト「結界は…
本来の性格、それまでの言動、態度、その両面を見るようにしている。
あの国賓の息子、王子はさ…悪ぶってただけなんだよ←1702ページ参照
王子「紅茶持ってこい!」
「はい、かしこまりました」お辞儀
王子「火傷すんじゃねえぞ!」
「はいはい^^」
父親に振り向いて欲しくて、見て欲しくて、頼むのはいつだって…
簡単にできること、それもあり得そうな怪我がないよう注意喚起してた。
結界に阻まれたのは、あの横暴からだ←1707,1709ページ参照
本質も、優しくて、穏やかだ。
言葉だけだったんだ。だから比較的短く、早く入れるようになった。
言動だと習慣というか癖になってるから、その分直すまで長くかかってしまう。
態度は頑張れば大丈夫。
前だって、入れた時すぐ「悪かったな」って謝りに来てくれたし」
フィン「彼が悪いのは…言葉だけだったからね。
愛情が欲しくて拗ねてただけ。
振り返って欲しいのなら、親以上のことを自分で成し遂げなきゃね」微笑
ケイト「あの折檻の後、父親と喧嘩しながら会話できたみたいで…王子としてできることは何だ?ってすぐ様変わりして実行に移せていたし、だから半月程で入れるようになったんだよ」←2452ページ参照
フィン「償いを全て終えてからさ……彼等3人の場合はね。
今までが…勝手過ぎた」