第62章 新たな邂逅
人の上に立つ器ではないと、君(ケイト)は言う。
だが…それでも、僕は思うよ。
君は誰よりも、高貴で高潔な、実直な王だと――
フィン「ありがとうは…こっちの台詞だよ//」微笑
君に会えて、本当によかった……
ケイト「フィン…やっと、わかった気がするよ」
フィン「?何がだい?」
ケイト「私が生まれた意味……
神様からの、導きなさいという言葉の意味…←1251ページ参照
きっと…見返りを望まず、そう在ること。
誰もが気持ちを抱くこと、思い遣りを絶やさないこと。
どんなに絶望しても、力になろうとする人がいる社会になれば…きっと助け合える。
世界だけでなく、人も長く繁栄する。
そういうことだったんだ……
私がこういう生まれなのも、性格なのも、全部!
決められてたことだったんだ……」ぐすっ
フィン「僕は…そうは思わないよ」
ケイト「へ?」
フィン「君が…自分で悩み、考え、見つけ出した答えだ。道だ。
たとえ神から決められていたとしても、選ぶのはいつだって君自身だ。
レールの上をただ歩くだけでは何も得られないし、道など見出だせない。
ただ生きていることほど、何も考えず好きに動くことほど、人としての生とは言えないことはない。
道を見定め、考え抜き、悩みながらもひた走ろうとする君だから、ついていきたい、その先が見たいと思ったんだ」
ケイト「!」瞠目&じわっ←涙目
フィン「君は…君が思うほど単純な人間ではない。
もっと複雑な事情も、経緯も抱えている。
その上で…一本化している……
同胞として、こんなに誇らしいことはないよ」微笑
ケイト「……」ぼろぼろ号泣
フィン「最近になって気付いたけど…
君は随分と人が恋しいようだね」くす
ケイト「へ!?」
フィン「どう会話に入っていけばいいだろう?入るタイミングおかしかったかな?言葉選び間違えたかな?語弊招いたりしてないかな?邪魔にならないかな?話し辛くならないかな?嫌な思いしてないかな?
と、君はやたら人の気持ちばかり考えているけれど…
本当の君は寂しがり屋で、どう接したらいいかわからず右往左往しているだけ。
人への恐怖や臆病さは、君が幼少からされ続けてきたことが起因だろう。
だから…君だから思うのだと、君だから切り開けた道なのだと僕は思うよ」
ケイト「……
…そっか…」微笑